まもなくホワイトデー。バレンタインデーのお返しを贈る日だが、世界的には日本や韓国くらいでしか目立っておこなわれていないマイナーなイベントだ。
そもそもバレンタインデーに女性から男性にプレゼントをする国が珍しいのだから、当然といえば当然なのだが……。

実はイタリアにもホワイトデー近くに、男性が女性に感謝の気持ちを込めてプレゼントを贈る日がある。3月8日の「ミモザの日」だ。

3月8日といえば、日本では「国際女性デー」としての知名度のほうが高いかもしれない。国際女性デーとは1975年に国際連合によって定められた記念日で、労働条件の改善などをもとめるニューヨークの女性のデモがきっかけ。各地で集会やイベントも開かれるが、近ごろは女性に感謝する日としての意味合いも色濃くなっている。


とくに顕著なのがイタリア。3月8日は「ミモザの日」とも呼ばれ、シーズンを迎える黄色い花「ミモザ」を、男性から女性にプレゼントするのが習慣。贈る相手は恋人はもちろん友人でもOK。マンマ(母親)やノンナ(祖母)に贈ってもいい。年齢問わず、女性全員が対象なのだ。この時期イタリアに行けば、街のあちこちでミモザが売られているのを目にするはず。
女性たちもこの日ばかりは家事などから解放され、女ともだちとディナーを楽しむのが一般的だ。

そんなイタリアの小粋な習慣が日本でも少しずつ紹介されるようになってきた。たとえば、東京・新宿の小田急ホテルセンチュリーサザンタワーのラウンジ&バー「サウスコート」では、ミモザの日にちなんで、シャンパンカクテルの定番「ミモザ」を積極的に販売するのがこの時期の恒例。今年も3月1日(木)~ 3月14日(水)まで、1杯1,732円で提供している(※バータイム限定 17:30~23:30 日・祝は23:00まで)。期間中はホテルエントランスやロビーの装飾にもミモザが使われ、目と舌でミモザを楽しめる。

また、イタリアをテーマとした神奈川県・川崎の複合商業施設ラ チッタデッラでも、毎年ミモザの日にちなんだサービスを企画しており、今年は 「大切な女性に贈りたいラ チッタデッラでGETできる10万円分の商品プラン」を募集(※募集自体は2月29日に締切済、結果は3月8日に発表)。
さらに、3月8日当日は施設内のショップやレストランで5,000円以上買い物をした女性客にミモザの花束をプレゼントしてくれるそう(※先着100名。一部条件が異なるショップもあり)。

ちなみにこの日はロシアでも女性にチューリップを贈るのが定番。日本ではまだまだ花を贈ることに照れを感じる男性も多いが、ミモザの日はひとつのきっかけになってくれそう。お花屋さんの陰謀だとしらけた見方をする人もいるかもしれないが、多くの男性がもっと気軽に花をプレゼントするようになれば、女性としては嬉しいかぎりかも。
(古屋江美子)