そんなに詳しいわけではないのだけど、ワインにはチョコや生ハムが合う気がするし、焼酎には肉料理や炒め物が合う気がする。あくまで、個人的な意見ですよ?

そして日本酒には……。
やっぱり梅干しとか和食なんじゃないかと思っていたが、どうやらこんな日本酒もあるようだ。兵庫県の「小西酒造」が開発したのは、その名も『チーズとよく合うお酒』
狙いとコンセプトがそのまま商品名に反映されたこのお酒は、同社の女性スタッフのみで製作されたそうだ。
「当社内には、女性スタッフのみで構成された『酒ガール☆PJ(シュガールプロジェクト)』なるプロジェクトがあります。彼女らがマーケティング部の女性をはじめ、社内の女性の意見を聞きながら開発を担当いたしました」(同社・担当者)

“女性による、女性のための日本酒”というか。実際、このようなお酒を開発した目的には「女性の新規市場開拓!」があったそうだ。
「社内での聞き込みの結果、女性向けのお酒はどうも甘過ぎたり、本当に女性が手に取りたいものと違うのではないかという疑問が露わとなりました。このような状況から『自分達が手に取りたいものを開発したい!』と考えるようになったんです」(担当者)

では、何がどうなって「チーズとよく合う」なのか?
「日本酒とチーズは共に発酵食品であり、元から味の相乗効果を生み出す組み合わせではありました。当社独自の工夫としましては、2種類のこうじを組み合わせて酸味に特徴を出し、日本酒に含まれるアミノ酸の生成を抑えたことで、“チーズに合う飲み口の良さ”や“喉越しのさわやかさ”、“キレのある甘い味わい”を生み出すことに成功しております」(担当者)

なるほど。そしてもう一つ、肝心なことを聞きたい。結局、この『チーズとよく合うお酒』はどんな味がするのだろう?
「キレのある甘口です。白ワインは酸味が始めに広がりますが、このお酒は甘味が口に広がり、最後に酸味がきりりと引き締めます。
その酸味もクエン酸が多く、爽やかな酸味です(グレープフルーツなど柑橘系の酸味)」(担当者)
こうして、「チーズとよく合う」は形となった。また、チーズ以外にもサーモンマリネなどのフレンチイタリアンや生姜醤油、わさびを効かせた和食とも相性が良いそうだ。

そんな、この『チーズとよく合うお酒』が発売されたのは2月24日。発売から約3カ月となっているが、その人気ぶりは予想をはるかに上回っている。
「最初は『1ヶ月で1000本ぐらい売れれば……』と3500本を製造したのですが、反響は予想以上でした。現在は仕込みを3倍に増やし対応しておりますが、まだ品薄の状態です』(担当者)
そしてやはり、女性を中心に人気を博しているとのこと。具体的には「飲みやすい」、「チーズと合わせると味が変わる」、「これ日本酒? ワインみたい!」といった声が寄せられている模様。

現在は同社が運営する「長寿蔵オンラインショップ」等で、この『チーズとよく合うお酒』は販売されている。価格は、税込み498円(ワンコイン!)。

確かに「チーズを摘まみながらお酒をグイッとやって、DVDを観ながら眠りにつく」というシチュエーションは至福である。それも、日本酒で。
女性じゃないけど、私も個人的に入手していいですか?
(寺西ジャジューカ)
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