逞しい女友達が多い。音楽フェスやテーマパークは当たり前、それどころか海外旅行にまで一人で赴く女子がいる位で。
明らかに、行動力と生命力が私より上だな……。
そういえば、今までに「一人焼き肉専門店」や「一人カラオケ専門店」、「一人しゃぶしゃぶ専門店」なんて場所の取材をしてきたっけ。ムーヴメントかと思いきや、今や“おひとり様”はスタンダードの域に入っている。

その辺り、今回のこのアンケートがキッチリとデータ化してくれました。マーケティングリサーチサイト「モッピーラボ」は、20~49歳の女性900人を対象に「おひとり様に関する調査」を実施。この機会によって導き出されたデータが、非常に興味深い内容となっておりましてですね……。


まず始めは、「一人で入ったことのあるお店・娯楽は?」という設問。結果、「一つもない」と答えた人は全体の13.6%にとどまっており、残りの86.4%は“おひとり様”経験者であることが判明している。では、経験者の内訳はどうなのか?
年代で比較すると、「映画」での“おひとり様”経験があるのは40代が50.0%、30代は42.0%、20代は33.0%という結果になった模様。
そして「ラーメン屋」に関しても「映画」と同様の傾向が見られている。40代のラーメン屋“おひとり様”経験者は40.0%で、30代は33.3%、20代は20.7%という数字となったのだ。20代に比べると、40代は2倍近くが“一人ラーメン”経験者!
ということは、こういうことだ。
まだ“おひとり様”デビューをしていない若き女性だって、時が来れば映画館・ラーメン屋に進出の可能性が全然あるんです。

その一方、「カラオケ」の“おひとり様”経験が対照的な内容になっていて。“一人カラオケ”経験があると答えた女性、20代は26.7%もいるのに、30代は18.0%に下がり、40代は12.0%にまで落ち込んでしまう。
なるほど、若い子の方が一人で歌を楽しむ傾向にあるのだろう。“一人カラオケ”は、若年層を中心に浸透している文化なのかもしれない。

そして、お待たせしました。
中間層の30代が抜きん出て多く出没する場所もあるのです。それは「マンガ喫茶」。どうやら、30代女性の44.7%は“一人マン喫”の経験者のよう。ここでは、30代が20代(29.3%)や40代(21.7%)を明らかに圧倒している。
「マンガ」と聞くと、どうしても若年層のイメージを持ちがち。しかし、マンガ喫茶にドリンクバーや軽食・シャワーなどが完備された店舗が多いことは、もはや常識でもある。
それだけでなく店舗によってはネイルサービスがあったり、女性にとって嬉しい工夫も多様化。これらが、“一人マン喫”増加の理由と言えるのかもしれない。

ではここで、“おひとり様”経験者に根本を思い出していただきました。おひとり様をしたことがあることがある人(778人)限定で、「“おひとり様”をしたキッカケは?」という問いを投げかけたのです。
この設問では、約半数(52.4%)の女性が「ごく自然に」と回答している。これには、“一人カフェ”の経験が大きく影響しているかもしれない。
「一人で入ったことのあるお店・娯楽は?」の設問でも、「カフェ」(67.1%)回答が最も票を集めてるし。大体、何となく行ける場所がカフェなのだから、そこでサラッと本を読んだり仕事するのに深い意味やキッカケなんて無いに決まっている。
そしてこの設問、二番目に多い回答として「一人が好きだから」(19.8%)が挙がってます。ここで鋭いメスが入った。……彼氏はいるのか?
注目です。なんと「一人が好きだから」と回答した“彼氏あり女性”は13.9%だけなのに、“彼氏なし女性”は23.9%にも! なんだ、これは。
人種が違うのか?

ここで、もう1つ。またしても“恋人の有無”にスポットを当て、探りを入れてみたい。“おひとり様経験者”限定で「一人で入ったことのあるお店・娯楽は?」と質問し、それを“恋人の有無”で比較してみました。
結果、「映画」の“おひとり様経験者”は、「恋人なし」が45.0%で「恋人あり」が35.9%
という数値に。デートの定番とも言える「映画」だけど、恋人がいなければ自ずと一人で行くことになるのも道理。また、映画館によっては「レディスデー」のようなサービスもあるので、恋人の有無に関わらず女性が足を運びやすい場所でもある。こういった映画館の特徴が、数値に影響しているのかもしれないです。

逆に、「恋人あり」女性が「恋人なし」女性より多く“おひとり様経験”をしているスポットもあるんです。なんと、それは「牛丼屋」! ちょっと意外じゃないですか!? 「恋人あり」女性は32.2%で、「恋人なし」女性は22.2%だけ!
思うに、こんな理由が想像できないだろうか? 「恋人あり」女性は彼氏と一緒に行く機会があるから、免疫ができる。だから「恋人なし」女性より抵抗なく牛丼屋のカウンターに座れる。そんなストーリー、十分あると思います。

ここまで書きつつも、ふと自分のことを顧みてみた。かくいう私は、“さびしがり屋の一人好き”。誰かと一緒にいたい感情はあるが、集団行動が不得手な一面もある。というか、一人を満喫しているかもしれない。
こんな結論で申し訳ないけど、素直に行動するからこその昨今の“おひとり様”人気なのかもしれないです。
(寺西ジャジューカ)