本格的な暑さを目前にして、我が家のパソコンも例年とても暑がっている。その証拠にCPUの冷却ファンの音がうるさくてたまらない。
そうしなければオーバーヒートしてしまうから仕方ないのだが、なんとかもう少し静かにできないものか。そこで、パソコンパーツ販売会社のリンクスさんと、PCメーカーのマウスコンピューターさんに対処策を聞いてみた。

まず方法の一つとして、問題となるCPUクーラーの性能を上げればいいわけだ。つまりは低速回転のファンで十分冷却できる構造の製品にすれば、騒音がずいぶんと低減されるはず。で、リンクスさんから紹介してもらったのが、『ETD-T40-TB』(ENERMAX)というCPUクーラー。
「静音化=ファン低回転化が一番手っ取り早い方法ですが、それによりCPUの温度が抑えられなくなってしまってはダメ。なので、同製品ではヒートシンク部分に“VGFテクノロジー”と“SEFデザイン”と呼ばれる独自の構造を採用しています」(リンクス)
VGFはヒートパイプ裏側の無風領域をなくすことにより放熱効率を高め、SEFではヒートシンクを抜ける風の圧力を高めて冷却効果を上げるという。

同製品とインテル製CPU「Core i5 2500K」付属のパッケージ品クーラーで比較したデータがある。
・ETS-T40-TB使用時の温度
アイドル時、29℃(回転数:850回転弱)
高負荷時、46℃(回転数:1400回転弱)
・「Core i5 2500K」付属パッケージ品
アイドル時、34℃(回転数:1200回転)
高負荷時、61℃(回転数:5000回転)
つまりは、アイドル時でETS-T40-TBの方が低回転でマイナス5℃、高負荷時でもマイナス15℃冷えるということ。こうして見るとずいぶんちがうものだ。

他方、マウスコンピューターさんのほうからは水冷CPUクーラーを紹介。
「CPU発熱箇所に冷水を循環させ、冷却させるクーラーです。
ファンを使用していないため、空冷よりも水冷の方が静音性に優れています」
「特に夏の時期になると、パソコン自体が熱くなり効率が下がってしまうことから、水冷クーラーが大変注目されます」
とマウスコンピューター。
確かに、水の流れを利用する水冷クーラーなら空気を切る騒音がないのでとても静かだ。

水冷クーラー搭載のおすすめデスクトップパソコンとして
インテル Core i7-3770(4コア/3.40GHz)、メモリ8GBの『Lm-iB500X2-LC』を挙げる。
ほか、「水冷パソコン特集ページ」には水冷式の詳しい説明やラインアップが掲載されているので参照されたい。

夏場に備え、パソコンの冷却設備、新しくしてみては。
(羽石竜示)
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