「努力した者が全て報われるとは限らん。しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」

まさに努力の結晶! 国民的ボクシング漫画『はじめの一歩』100巻が遂に発売されました。長い歴史を誇る「週刊少年マガジン」連載作品としても初の100巻超えであり、1989年に連載を開始し、足掛け23年をかけての大偉業です。
この100巻突破を記念し、3ヶ月連続(5月~7月第2木曜日発売)で初のオムニバス型特別総集編が刊行されたり、冒頭に記した鴨川源二会長の名言をはじめとした「はじめの一歩名言集」が永田町駅で貼り出されたり(なぜ永田町?)、100巻記念公式サイトではカルトクイズやベストバウトを振り返ることができたりと、様々な企画が特集されています。ある意味、語り尽くされているかに見えるこの作品ですが、ほとんどの読者に見過ごされている、『はじめの一歩』ならではの特徴があると思うのです。それが、数々の名試合を彩って来た「実況」です。
実際のスポーツシーンにおいても欠かせない存在である「スポーツ実況」。中でも格闘技、ボクシングとの相性はよく、『はじめの一歩』の中でも、時に試合にテンポを生み出す効果音として、時にストーリーテラーとして、時に読者のミスリードを誘う技法として、毎試合様々な言葉が紡ぎだされています。
スポーツ漫画の世界において定番の舞台装置とも言えるこの「実況」ですが、その実、「高校野球の練習試合で、誰が中継してるんだよ!」と突っ込みたくなったり、わざとらしく説明的な表現が使われていて興ざめすることも正直多々あります。でも、『はじめの一歩』においてはそれがないんです。むしろこれほど雄弁で巧みな実況スタイルは現実世界を見ても希有な存在です。そこで今回はそんな「実況視点」から、『はじめの一歩』100巻の歴史と主要キャラクターたちの戦績を振り返ってみたいと思います。

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