最近の雑誌のフロクは、すごいよね。
すごいけど、どんどん同じようなものが増えてきて、「この雑誌だからこそこの付録!」って感じが薄くなってきた。

まあ、だいたいが、小物入れとか、ミニバックとか、あのブランドのとか、ってのも、さすがに、もうビックリすることはない。

というのも、まあ、雑誌そのもののオリジナリティがそんなにない。
だから、付録も100円ショップで「おお、こんなものが100円で売ってるのか!」と驚く小物ってぐらいの凡庸さで満載である。

が!
そんな中でひときわ異彩を放つ雑誌といえば学研「ムー」様である!
世界の謎と不思議に挑戦する雑誌。
1979年の創刊以来、長年にわたって、
UFO、超能力、UMA、異星人、怪奇現象、超科学、神秘、スピリチュアル、都市伝説、陰謀論など、
魅惑的かつ魔力ある話題で、(主に)中学二年生の心を打ち振るわせてきたオカルト雑誌である!!!!!

オカルト雑誌「ムー」の付録ともなると、凡庸な雑誌付録とはひと味ちがう。
渋谷や表参道のファッションブランドの名を借りることもない。

持ち出すのは、富豪ユダヤ! そしてカバラ魔術だ!
特別付録「富豪ユダヤ人が密かに手にする魔法の印 神聖カバラ招財袋」!!
どーーーーん!(額の第三の眼が開いてぴかーーーっ!)

付録は、シンプル。
上に赤いヒモがついている黒い巾着だ。
キャラメル一箱ぐらいの小物を入れることができるサイズ。
そして表に印刷されているシンボルは「ハムサ」!
イスラムでは「ファティマの手」、ユダヤ教では「ミリアムの手」と呼ばれる図像だ。
ハムサというのは、中東で用いられている護符である(らしいよ!)。
手のひらのラインの中に、眼のマークと月。

それを囲むようにヘブライ文字。
「幸運、健康、そして成功」と書かれているそうだ。
カバラにおいては、ヘブライ文字には天使が宿ると考えられているのである。

神聖カバラ招財袋の中に、“宝くじや、ほしいもの・行きたい場所の写真、あるいは銀行の残高明細書、預金通帳、現金など、思いつくかぎりのものを入れ”
「メ~~ム~~、ザ~~イ~~ン~~、ラ~~メ~~ド~~!」と唱え、文字と一体化するのだ!
“文字が振動して見えたり、光を発して輝いているように見えたり、あるいは異常に大きく見えたり”することがあるという。
文字が門のように見えてきたら、門をくぐり抜けるのだ。
そうすれば、“あなたの願望が実現した世界がある”!!!!
詳しくは「ムー」本誌を参照してほしいが、ただの小袋ではないのである。

小袋を使って、潜在意識にイメージを刻印する瞑想をすることができるのである。

雑誌「ムー」をひさしぶりに買ったが、すばらしい。
一貫した編集方針をつらぬいて、あああああと懐かしさでいっぱいになった。
総力特集が、「アメリカ軍が企てるUFO隠蔽工作と極秘タイムワープ計画を暴く!!」!
他にも
知られざる「相撲」の神秘主義
ビタミンCは人類を救う
ナチス秘蔵の推奨ドクロ「ヒムラー・スカル」
翼竜プテラノドンの頭をもつ怪魚を発見!!
地球を救う新エネルギー・システム「太陽光炭素化炉」
獣人UMA「ビッグフット」研究最前線
呪いの踏切
2000年前に電池が存在した?
北京にフライング・ヒューマノイド現る!!
立体曼荼羅ボロブドゥール遺跡
などなど!
見出しを引用しているだけで、己の奥底に潜むムー魂が湧き上がってくる。

ひとまず、ぼくは先日つくったオリジナルタロットを「神聖カバラ招財袋」に入れて、
「ム~~ム~~、ザ~~イ~~ン~~、ラ~~メ~~ハ~~!」(←呪文を忘れていい加減なことになっている)などと唱えて、財テクに励みます!
(米光一成)