そんななか、先日、「やや涼しいな」と思ってエアコンを切った後、「そういえば、つけっぱなしのほうが良いんだった!」と思い、切った直後に慌ててオンにしてしまった。
でも、待てよ? これこそ究極の「つけたり消したり」じゃないか。結果的に最も電気の無駄遣いになっていたりして……?
そもそも「こまめにつけたり消したり」って、どの程度のことを言うの? 30分の外出だったら、つけたままのほうが良かったりする?
ダイキンコンタクトセンターの技術担当者に聞いた。
「『こまめにつけたり消したり』というのは、何時間など具体的な目安があるわけではありません。というのも、エアコンは運転をかけ始めた際に、実際のお部屋の温度と設定温度との温度差をなるべく早く埋めるために、フル回転します。その後、設定温度近くになるとパワーを下げ、設定温度になるといったん冷風を作る動きをストップするのです。でも、一度エアコンを止めてしまい、部屋の温度が再び上がってしまうと、また設定温度との差を埋めるために最初からフル回転しなければいけないので、電力を使ってしまうんですよ」
ここまではよく聞く話。でも、ってことは、冒頭のように「うっかり消した後に慌ててつける」場合には、実際の部屋の温度は上がっていないわけだから、フル回転しない&電力は使わないってこと?
「そうですね。設定温度との差を早く埋めるためのフル回転ですので、いったんエアコンを消した後にすぐ運転させても、設定温度との差がないので、フル回転はしません。そのため、消してすぐつけた場合は、電力はあまり使わないはずですよ」
「フル回転」する際の電力消費量が大きいことを考えると、たとえばあらかじめ設定温度を高めにしておき、1℃ずつなど徐々に段階的に下げていくほうが電力を使わないってこともある?
「実際の温度と設定温度との差が少ない場合、非常に弱いパワーで少しずつ室温を下げていくことになりますので、フル回転しない分、やはり電力は抑えられるかと思いますが……。弱い電力でも、1℃下げるために冷風を作る動きを何度かする時間がかかるため、トータルでは状況によると思います」
ちなみに、短時間の外出の場合は、エアコンをつけっぱなしにするほうが良いのか迷うこともあるが……。
「遮光カーテンなどで太陽の熱を抑え、室内の温度を保てる状況であれば、エアコンをつけっぱなしにしなくとも、立ち上げの電力はあまり使わないと思います」
エアコンの電力は「設定温度と実際の温度の差」の大小によって変わってくるわけで、「エアコンをつける=電力を消費する」ではないので、必ずしも「つけっぱなし」が良いわけではないようです。
(田幸和歌子)