名古屋の土産物業界でヒットを飛ばしている商品がある。名古屋コーチンのひよこをモチーフに作られたプリン「ぴよりん(300円)」。
昨年9月に「愛知のふるさと食品コンテスト」で最優秀食品に選ばれ、今年2月には財団法人食品産業センターが主催する「優良ふるさと食品中央コンクール」で農林水産省食料産業局長賞(新製品開発部門)を受賞。見た目のかわいさと相まって、飛躍的に販売数を伸ばしている。どんなスイーツなのか? ぴよりんを手がけたJR東海フードサービス株式会社でお話をうかがった。

「ぴよりんとは、ご当地食材である名古屋コーチンの卵を使ったプリンを香り豊かなバニラムースで包みこみ、スポンジを粉末状にしてちりばめた、ひよこ型のスイーツです。当社女性パティシエによる手作りのため、各ぴよりんの表情は少しずつ異なります。キュートな見た目と、ほんのり甘くて滑らかな口溶けをお楽しみください」(担当者)

発売当初は月5000〜8000個の販売だったが、農林水産省食料産業局長賞を受賞してからは売り上げは月1万5000個〜2万個と一気に伸びた。
以後、コンスタントに売れ続け、8月末で累計販売個数(季節限定商品含む)が14万個を越えた。順調に巣立った形のぴよりんだが、商品開発には試行錯誤も多かったという。

「ぴよりんはプリンそのものをバニラムースで包み込んでいます。ゆえに形を維持するのが難しく、バニラムースの硬さや崩れないケーキ型に苦心しました。加えて、名古屋コーチンの卵を用いたプリンの味が引き立つようにバニラムースの甘さにもこだわりました。チョコレート製の羽1枚から手作りのため大量生産ができず、お持ち帰り時間も約3時間と制限がございます。
そのぶん名古屋駅でしか購入できないスイーツとして、名古屋を代表するお土産を目指しています」(同)

その愛くるしさのため、なかなか(特に顔からは)手をつけづらく、迷ったあげく背中から食べる方が多いのだとか。孫が喜ぶからとお土産購入される年配の方も多いそうだ。しかし、このぴよりん、ノーマルぴよりんだけではない。じつは季節限定バージョンがあるのだ。

「今までハロウィンぴよりん、クリスマスぴよりん、バレンタインぴよりん、抹茶ぴよりんなどを作ってきました。今秋は9月14日から10月8日にかけて『秋ぴよりん(1日限定100個)』の販売を始めます。
バニラムースの代わりにサツマイモのムースで包み、アーモンドで作ったドングリをトサカに見立て、サツマイモのグラッセをトッピングしています」(同)

ぴよりんはJR名古屋駅構内にある「カフェ ジャンシアーヌ」と「カフェ ジャンシアーヌ レジェ」で取り扱っている。店頭販売のほか店内でも食べられる。新世代の名古屋土産を堪能あれ。
(加藤亨延)