――そもそも、カピバラの露天風呂を始めたきっかけは?
「1982年の冬に、お湯を使ってカピバラの展示場を洗っていたところ、溜まっていたお湯でカピバラがゆったりとしていたのを、飼育スタッフが偶然見つけたんです。そこで、展示場に露天風呂を作ったらカピバラが入浴するのではないかと考えて、カピバラの露天風呂を行うようになったんです」(加藤さん)
現在では、色々な動物園でカピバラの入浴が行われるようになっているが、伊豆シャボテン公園が元祖。しかも、岩を組んで作った「岩風呂」なので、どこか風情がある。写真撮影の時に、背後に人が映らないこともあって、絶好の撮影ポイントとなっている。
――10頭のカピバラの中で、お風呂が好きなのは?
「お父さんの雷(らい)と、お母さんのいくらですね。大きい個体の方が、“温まる”という感覚があるのか、長い時は1時間半も浸かっている時があります。子ども達は少し浸かったらすぐに遊び始めたり、お風呂から出たりしますね。ちなみに、今日は赤ちゃんにとっては初めての露天風呂でしたけど、最初はかなりお風呂の様子を見てました。お父さんとお母さんが気持ちよさそうに入っているのを見て、2頭が入りましたね」
――お父さんとお母さんがゆっくり浸かって、子ども達は遊んでいるという感じは、人間と似てますねぇ~。素朴な疑問なのですが、湯冷めは大丈夫ですか?
「基本的には大丈夫です。
ちょうど、床下の部分にはお湯が流れているそうで、まさしく床暖房である。
●ところで、カピバラって、どんな動物なの?
「カピバラ」というと、ネズミの仲間ということぐらいしかピンとこない方もいらっしゃるかもしれないので、ここで改めてカピバラについて紹介。
・齧歯目(げっしもく)の中で最も大きく、体重は50kgほど。
・南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息する。
・草食性で、草や水草などを食べる。
・水中にいても少し顔を出すだけで全部の器官が水面上に出るように、「目・耳・鼻」が一直線に並んでいる。
カピバラの大まかなことが分かっていただけたのではなかろうか?ところで、大きなカピバラは見分けが付くが、小さなカピバラだと、見分けが付きにくくなる。そこで、こんな質問をしてみた。
――10頭のカピバラが生活していますが、一言でカピバラといっても、個体によって性格は違いますか?
「全然違いますね。好奇心旺盛な子はどんどん寄ってきますし、寄ってこない子もいます。
なるほど、観察していても飽きないというわけだ。
カピバラで大盛り上がりの伊豆シャボテン公園。この日も全国からカピバラファンが詰めかけていた。ちなみに、園内のレストラン「ギボン亭」では、カピバラの露天風呂30周年を記念したカピバラエティランチ(800円)を、毎日限定20食で販売。小学生以下で、入園チケットを購入したお子様には、カピバラのシールもプレゼント中(なくなり次第終了)とのことだ。カピバラの露天風呂の開始時間は10時30分からだが、1頭でも多く入っている姿を見たいという方は、開始時刻には行っておくのがおすすめ。(やきそばかおる)
伊豆シャボテン公園公式HP
http://izushaboten.com/
<元祖カピバラの露天風呂>
2013年4月7日(日)まで毎日開催
10時30分~(約1時間・カピバラが満足するまで)