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「人はなぜ笑うのか」を考えた哲学者たち【前編】

「笑いというのは、良心の呵責(かしゃく)もなしに他人の不幸を喜ぶことだ」
笑いには優越感、そして残酷さが隠れているのだ。

しかし、現実には嫉妬からくる優越感ではない笑いもある。たとえば道理に合わないトンチンカンな出来事を見聞したとき、思わず腹を抱えてしまうといった類の。そんな笑いについて説を唱える哲学者ももちろん存在する。その一人が、18世紀ドイツ哲学者のカント。
「およそ激しい、身体をゆすぶるような哄笑(こうしょう)をひきおこすものには、何か理屈に合わないものが含まれているに違いない。笑いは、緊張した期待が突然無に転化することから生じる情緒である」

抽象的で難しいので、カント自身が挙げた具体例を参考にしてみよう。
イギリス人が食卓でビール瓶をあけると、中のビールが泡だって勢いよくほとばしり出た。この様子を眺めたインド人はなんべんも驚きの叫び声をあげた。そこでイギリス人が、
「一体何をそんなにびっくりなさるんです?」とたずねたら、このインド人はこう答えた。
「いや、わたしだってビールが瓶から沸騰するのを驚いているのではありません、ただこのビールをどんなふうにして瓶の中へ詰めることができたのか、それが不思議なのです」
イギリス人は当然ビールが噴出すことの何にびっくりしたのかをたずね、その答えを期待していたのに、予想外にまったくそれに反した答えが返ってきて逆にびっくりしたとほぼ同時に、笑いがこみ上げてきた。これが「緊張した期待が突然無に転化」の事例。
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