全国書店で売り切れ続出と話題のコミックス『坂本ですが?』(佐野菜見著・エンターブレイン)。
「何軒も回ったのにまだ買えない」「近所の本屋にあった!」とTwitterでも宝探しさながらに盛り上がっている。

舞台はとある県立高校。次々とピンチに出くわしながらも、スタイリッシュすぎる言動で華麗にスルーしまくる黒縁メガネの男子高校生・坂本の学校生活を描く。
クラスの不良にトイレでバケツの水を掛けられても慌てることなく、ビニール傘で回避。「やれやれ……にわか雨ですか?」と足を組む。机を捨てられても窓枠に腰かけ、「ここで結構ですから」とクールにたたずむ。
パシリ扱いも坂本にかかれば、スタイリッシュなもてなしに変わる。
上級生に体操服を貸せと強要されたら、即座に雑巾で手作り体操服を縫い上げ「オートクチュールでございます」と差し出す。「焼き方をミディアムにしておきましたので」とアルコールランプで靴を温め、「送迎の準備は整いました」とワックスバケツで迫る。
うっとうしいにも程がある。でも、やみつきになる。なんですか、これは恋ですか。
読み終えた後は身近なメガネをつかまえて、坂本のマネをリクエストという楽しみも! 
(島影真奈美)
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