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WBCをもっと深く。野球の国際化、そこで働くとはどういうことなのか『ベースボール労働移民』

WBCをもっと深く。野球の国際化、そこで働くとはどういうことなのか『ベースボール労働移民』
『ベースボール労働移民~メジャーリーグから「野球不毛の地」まで~』(石原豊一/河出ブックス)<br />出稼ぎ、バケーション、 自分探し……MLBや日本野球だけではわからない、グローバルレジームに飲み込まれる世界プロ野球。WBCの見方も変わる新しい野球社会論。
いよいよ盛り上がってきたWBC。
苦戦続きだった日本もオランダには大勝。米サンフランシスコで行われる決勝トーナメントへの進出を3大会連続で決めた。

ここまでの1次・2次ラウンド、そして現在アメリカで行われている試合を振り返ると、過去2回のWBCよりも活躍する国、選手がバラエティに富んでいる、という印象を強く受ける。その象徴が、アメリカでの1次ラウンドでメキシコ・カナダを破って2次ラウンド進出を決めたイタリア。そして日本が昨日対戦したオランダだろう。韓国・キューバに力で圧倒したオランダは今後もまた対戦する可能性もあり、侮れない。
ヨーロッパで最も野球が盛んな国であるオランダ代表には、日本の野球ファンにもおなじみのバレンティン(ヤクルト)、ジョーンズ(楽天)らが所属。他にもメジャーで一線級で活躍する選手も大勢いる。なぜオランダ代表? と首を傾けてしまうかと思うが、その理由は彼らの出身地であるカリブ海の島・キュラソー島やアルバなどがオランダ王国の構成国であるから。カリブ出身、と聞くだけでドミニカやベネズエラ、キューバと同等国にも思えてくるから不思議だ。

『ベースボール労働移民』という本がある。
ビール片手にヤジを飛ばしながら楽しむ野球もいいけれど、たまにはアカデミックに野球を考察してみたい、そんな人にオススメしたい本だ。
著者・石原豊一はスポーツ社会学の研究者。実際に世界中を旅し、中南米の野球強豪国であり、MLBの人材輩出国となっているドミニカやメキシコ、野球がなされていること自体が驚きのイスラエルリーグなどに足を運び、「移民研究」の視点から野球という競技が過去、そして現在においてどのようなグローバル化を果たして来たのかをまとめている。野球というフィールドを巡ってのフィールドワーク、世の中にはいろんな学問があるものだ。

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