最近、「カプシエイト」入りの商品を目にする機会が増えてきた。カップラーメンやビスケット、美容ドリンクなど、目にしたことのある人もいるのでは?

カプシエイトとは、辛くない新種のトウガラシ「CH-19甘」から抽出される天然成分。
トウガラシといえば、辛み成分のカプサイシンが有名だが、カプシエイトはいわばその辛くないバージョン。体の燃焼を助け、体内エネルギーの代謝をよくする働きなどは同じだが、辛さはカプサイシンの約1000分の1しかなく、胃腸にやさしいのが特徴だ。

世界的な研究者からの注目も高く、すでにアメリカの肥満クリニックでは代謝をあげる目的でカプシエイトを活用しているところもあるほど。カプシエイトを継続的に摂ることで代謝が高まり、リバウンド予防効果も期待できるのだという。実際、カプシエイトを3ヶ月近く摂った結果、基礎代謝が約50kcalアップしたというアメリカの研究データもある。

日本でも活用の幅は広がり、冒頭のような代謝アップサポートフードに加え、レストランのメニューにも登場。東京・白金のアンチエイジングレストラン「Rire(リール)」では、今年4月からランチメニューにカプシエイトを使ったメニューを提供している。

ということで、さっそく食べにいってみることに。カプシエイトを使ったランチのメニューは週に1~2回、日替わりで、取材日はメインが鯛のハーブ蒸し、それにカボチャのスープとパンのセット。メインとスープにカプシエイトが入っていると聞き、注意深く食べてみると、なるほど、ごくわずかにトウガラシ特有の青臭さを感じる。ただこれ、いわれなければ、まず気が付けないレベル。料理の味をじゃませずに、爽やかなコクを与えている。


食べ放題のパンにも、「カプシエイトキッチンユース」がつけ放題。サラリとしていて、くどくないが、ほどよい風味がアクセントになって後を引く。結構よくつけるお客さんが多いというのもうなずけた。

ちなみに日本では「CH-19甘」のトウガラシそのものは入手できないため、「Rire」ではカプシエイトを菜種油で希釈した業務用製品「カプシエイト キッチンユース」を使っている。オーナーで管理栄養士の堀知佐子シェフいわく、
「ベースが菜種油なので、1グラム9キロカロリーあるのは事実。ただ、脂質自体は体に必要なもの。どうせ摂るなら体によいものを効果的に摂りたいですよね」
カプシエイトは非常に稀少な成分のため、同店ではドレッシングに使ったり、料理の仕上げにかけたりしているという。

そういえば食後は、心なしかほんのり体があたたかくなった気がした。もちろん、感じ方には個人差があるし、取材日は気温が30度近くまで上がった夏日だったので、すべてがカプシエイトのせいとはいえないだろうが、そう感じる人は少なくないようだ。

このほか、味の素株式会社の社員食堂でも4月から週2回、管理栄養士である竹内冨貴子先生が考案したカプシエイトを活用したオリジナルメニューが提供されている。食堂のスタッフによれば初回から通常の1.5~2倍の勢いで注文があったというから、注目の高さがうかがえる。女性だけでなく男性からの注文も多いそうだ。


トウガラシの辛さが苦手な人でも摂りやすい新規成分「カプシエイト」。研究開発の進化とともに、今後ますます身近な存在になっていくのかも。
(古屋江美子)
編集部おすすめ