その人に食べ方を聞くと、半透明のテープを長く引っぱり出し(外側から引っぱり出すより、筒の部分から引っぱった方が出しやすいとのこと)、ある程度の長さでちぎり、おもむろに口の中に放り込んだ。傍から見ても、セロハンテープを食べている変わった人にしか見えない…。
筆者もさっそく挑戦してみた。最初は口内で激しくガサガサするが、すぐに唾液でヌルっとした感じになる。これは自然の食べ物にはあり得ない食感だ。味はほとんど感じないが(韓国の人も、「何の味もないですよ」と話す)、ケミカルな食感と外見に慣れてくると、奥から控えめな甘みが感じられる気がしないでもない。
パッケージに書かれた「オブライトロール」という商品名を見て分かったのだが、これは日本で言うオブラートだ。しかし薬や飴を包まない状態の、素オブラートをもりもり食べたことのある人が、果たしてどれくらいいるだろう。
しかし、オブラートに包まれた柑橘系の「ボンタンアメ」が好きな人なら、一箱分の飴からオブラートをはがして、飴だけ・オブラートだけを一気にほおばりたいと思ったことがあるのでは? そんな子どもの頃の憧れを半分かなえてくれる夢のお菓子……と言えなくもない。
韓国では子ども向けの駄菓子は、日本の駄菓子屋と同様に、学校の前の文房具店でよく売られていた。しかし、カラフルで安価な駄菓子は健康に良くないとされ、やがて「不良食品(プルリャンシップン)」と呼ばれるようになった。最近は見かける機会も減ったが、そうした駄菓子は現在、大人たちにとっての「懐かしのお菓子」というポジションで 販売されている。