パラリンピックを知らない、という人は少ないと思うが「スペシャルオリンピックス」となると日本での知名度はかなり低いのではないだろうか? 年齢性別を問わず、知的発達障害者の自立と社会参加促進のサポートを目標に設立されたオリンピックで、もともとはJFケネディーの妹が始めた。1968年のシカゴでの開催から今年で開催以来45年目を迎えたのだ。
オリンピックではなく、複数形のオリンピック”ス”となっているのは、日常から地域ごとに練習試合やトレーニングのようなものがあり、それらも含めて競技会となっているため、そう名称されているようだが、4年に一度の大きな世界大会(夏冬)もある。
表彰台の上では、全てのアスリートにメダルやリボンがかけられ、順位だけでなく、競技場に立ち最後まで競技をやり終えた事に対して、一人ひとりに惜しみない拍手が贈られる。宣誓も「精一杯力を出して勝利を目指します。たとえ勝てなくても頑張る勇気を与えてください」なる、勝利至上主義に巻き込まれる事なく、競技に参加した本人がスポーツを楽しむことができる環境になっている。
シカゴではこの競技会にイリノイ州の3万5000人ほどのアスリート全員が無料で参加できるように、夏になると「ラバーダッキーダービー」なる募金イベントが開催される。
今年もその時期が来た。ラバーダッキーとは、ゴム製(またはポリ塩化ビニール製)のアヒルで、子供がお風呂に持ち込んで浮かせて遊ぶ、アヒルちゃんである。プカプカ浮かびながらシカゴの川くだりをするというダービーレース。
そのアヒルをシカゴ市民に養子にしてもらおう! というアイディアで、川から拾ったアヒル1つを5ドルで里子にすることができる。
ちなみにアヒルちゃんにはそれぞれトラック番号がつけられていて、養子にした際、その同じ番号札を領収書のようなカタチで渡される。アヒルそのものを手にはできないが、この番号でレースに勝ったかがわかるシステム。1位から4位までそれぞれ豪華賞品(新車、旅行パック等)があるので、それもまた楽しい。
シカゴ川に掛かる橋が上がる時刻に設定し、大きなダンプトラックから一斉にアヒル達が落とされる、その数約6万羽。黄色に染まるシカゴ川。よく見ないとアヒルちゃんだとは思えないが、一つひとつがとっても可愛い。涼しげに浮かんでいるがかなりの数。
「私のアヒルちゃん、どこかな〜?」と探している子どもたち。最後の最後で4位に入らなかったらわからずじまい(当然だがオッズはかなり悪い)。養子にできるのはは18歳以上で、住所やメールアドレスの記入が必要。万が一入賞したら本人に連絡が入るようにはなっているそう。
このようなチャリティーイベントで、知的発達障害の人たちの多くが大会に参加できるようになるには周りの理解とサポートの2つのが必要だが、一気にそれがダービーで得られるというシカゴ独自のイベント。募金しながらシカゴの夏の楽しいひと時をこんなふうに過ごすのだ。
ちなみにダービー後、1つ残らずアヒルちゃんはいなくなっていました。日本の各地でも常時ボランティアを募集しているようです。
(シカゴ/あらた)
オリンピックではなく、複数形のオリンピック”ス”となっているのは、日常から地域ごとに練習試合やトレーニングのようなものがあり、それらも含めて競技会となっているため、そう名称されているようだが、4年に一度の大きな世界大会(夏冬)もある。
表彰台の上では、全てのアスリートにメダルやリボンがかけられ、順位だけでなく、競技場に立ち最後まで競技をやり終えた事に対して、一人ひとりに惜しみない拍手が贈られる。宣誓も「精一杯力を出して勝利を目指します。たとえ勝てなくても頑張る勇気を与えてください」なる、勝利至上主義に巻き込まれる事なく、競技に参加した本人がスポーツを楽しむことができる環境になっている。
シカゴではこの競技会にイリノイ州の3万5000人ほどのアスリート全員が無料で参加できるように、夏になると「ラバーダッキーダービー」なる募金イベントが開催される。
今年もその時期が来た。ラバーダッキーとは、ゴム製(またはポリ塩化ビニール製)のアヒルで、子供がお風呂に持ち込んで浮かせて遊ぶ、アヒルちゃんである。プカプカ浮かびながらシカゴの川くだりをするというダービーレース。
そのアヒルをシカゴ市民に養子にしてもらおう! というアイディアで、川から拾ったアヒル1つを5ドルで里子にすることができる。
ちなみにアヒルちゃんにはそれぞれトラック番号がつけられていて、養子にした際、その同じ番号札を領収書のようなカタチで渡される。アヒルそのものを手にはできないが、この番号でレースに勝ったかがわかるシステム。1位から4位までそれぞれ豪華賞品(新車、旅行パック等)があるので、それもまた楽しい。
シカゴ川に掛かる橋が上がる時刻に設定し、大きなダンプトラックから一斉にアヒル達が落とされる、その数約6万羽。黄色に染まるシカゴ川。よく見ないとアヒルちゃんだとは思えないが、一つひとつがとっても可愛い。涼しげに浮かんでいるがかなりの数。
「私のアヒルちゃん、どこかな〜?」と探している子どもたち。最後の最後で4位に入らなかったらわからずじまい(当然だがオッズはかなり悪い)。養子にできるのはは18歳以上で、住所やメールアドレスの記入が必要。万が一入賞したら本人に連絡が入るようにはなっているそう。
このようなチャリティーイベントで、知的発達障害の人たちの多くが大会に参加できるようになるには周りの理解とサポートの2つのが必要だが、一気にそれがダービーで得られるというシカゴ独自のイベント。募金しながらシカゴの夏の楽しいひと時をこんなふうに過ごすのだ。
ちなみにダービー後、1つ残らずアヒルちゃんはいなくなっていました。日本の各地でも常時ボランティアを募集しているようです。
得意な好きなスポーツのある方、コーチでの参加も大歓迎のようです!
(シカゴ/あらた)
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