五輪招致を成功させるために結成された招致委員会の中には、上記プレゼンターのように表に立って活動した人もいれば、それを影で支える人たちがたくさんいた。その中の一人、写真家の竹見脩吾さんに話を聞いた。
2011年、当時26歳の若さで招致専属の写真家として抜擢された竹見さん。招致委員の中でも若手だが、大学ではスポーツ写真を専攻し、卒業後は国内外問わずスポーツの現場で経験を積んだ。Yahoo! Japan「写真家特集」では、森山大道氏や蜷川実花氏ら有名写真家とともに掲載され、バンクーバー五輪、ロンドン五輪と世界の舞台で活躍してきた実力の持ち主だ。
招致での竹見さんの役割の一つは、安倍晋三首相らが行ったプレゼンの間に映し出されたイメージ写真の撮影だ。「プレゼンのスピーチに合わせ、スポーツに対する『熱狂』や東京のインフラ整備、安全性など、一枚の写真で伝えるにはどうすればいいのか、常に考えていました。都内を1日中歩いて『答え』を見つけられない日もありました」(竹見さん)。こうして、サンクトペテルブルク、ローザンヌ、ブエノスアイレスで数回にわたり行われたプレゼン用写真を、2011年頃から約2年かけて形にした。