昔々、デジタル腕時計が世に出たとき、珍しさからこぞってデジタルに替える人が多かったが、結果的には時刻表示の見やすさやデザイン性から、アナログ時計が生き残ったわけだ。で、今日なんでもデジタル時代真っ只中に、またひとつおもしろい時計が登場した。


それは、「ZIIIRO Mercury(ジーロ マーキュリー)Black - Purple」(センチュリー販売)というデジタル数字の表示も時間を指す針もない摩訶不思議な腕時計だ。では何が文字盤にあるかというと、2種類の渦模様だけなのである。盤の外側に辛うじて12箇所の刻みがあるのでこれが各時刻を表すのは一目瞭然なのだが、肝心の針がない。

するとあとは、この2種類の渦模様だけが時刻表示の役目を果たすと考えるほかない。果たしてその通り。大小2つの渦のようなグラデーションの外側の細い渦の先端が「分」を、内側の太い渦の先端が「時間」をそれぞれ表すと説明されている。

なるほど、確かに言われてみればちゃんと時刻を表示しているではないか。しかし、この渦巻きが時刻を指しているなどとは誰も思うまい。正直見辛い気もするし…。

そこで国内代理店のセンチュリーにいろいろ疑問を聞いてみた。
まず、どのような理由で国内代理店として、ZIIIROシリーズを扱うようになったのか。
「海外のサイトで紹介、話題となっているのを見て興味を持ち、取り扱いを始めました」
そうか、外国で人気がすでにあったわけ。
やっぱりおしゃれさ、珍しさがうけたのかなぁ。

同シリーズ実はほかにもいろいろ種類があるのだが、Mercuryの特徴は何か。
「やはり、シンプルかつ大小2つの渦のようなグラデーションが回転し時間を表示することです。渦のデザインで時間を表現する腕時計は少ないですね」
ちなみに、MercuryのカラーバリエーションはほかにChrome/Magenta、Chrome/Ocean、Black/Magenta 、Black/Ocean の4種類がある。

で、使用してみて、文字盤、針のない時計への戸惑いはないか。
「確かに機能性などを考慮すると戸惑いは感じるかもしれません。他社にないデザイン、ファッションの一部としてのアクセサリー感覚で使用していただければと思います」
う〜ん、腕時計を他の人のものと差別化したい人向けというわけですね。

「ZIIIROシリーズは、無駄な要素を徹底的に省いたユニークでスタイリッシュな腕時計を提案するブランドです。シンプルながら目を引くデザインで、お洒落アイテムのひとつに加えてもらえれば嬉しいです」
腕時計って時刻表示という実用性だけでなく、おしゃれアイテムとしての位置づけって昔から重要視されてきたようだし、このような珍しいデザインのものもありかも。

衣替えの季節、腕時計もおしゃれなものに替えるのもいいだろう。
(羽石竜示)
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