生物の根幹であるにもかかわらず、なかなか直接的に話題に上げられないことに「セックス」がある。セックスの中でも特にオーラルセックスは、ヒトの他にはボノボやコウモリに観察されている程度で、生物全体にとってはマイナーな営みだ。


これら行為は、初めて行う前に実地訓練するわけにもいかず、いざやろうとして戸惑う人も多いはずだ。何とか初回を乗り越えたとしても、多くの場合、上達には(一部参考資料やアドバイスは世間に出回っているものの)独学での試行錯誤と経験の積み重ねしかない。

このような現状の中、仏24マタンによれば、ロシアではオーラルセックスの仕方を教えてくれる「フェラチオ・スクール」なるものが開講されているという。授業料3500ルーブル(約1万円)で授業時間は3時間半。多様な手法を通してオーラスセックスの基本を学べるそうで、パートナーの男性を満足させたい女性たちが通っている。

学校では人工ペニスを使い、男性が感じる場所の違いを学んでいく。
講師はどのようにパートナーが興奮するかを説明し、口を使ったコンドームの付け方など、オーラスセックスについてのすべてのステップが説明され実践される。授業の最後には、人工の女性器を使い自身のセックスも学ぶという。

じつはフェラチオ・スクールに限らず、ロシアでは“いい男”を手に入れ結婚するための「恋愛スクール」が盛んだそうだ。マリ・クレール米国版によれば、次々と新しい大金持ちが生まれている新興資本主義国家のロシアでは、自家用飛行機やヨットを持つ大金持ちの夫を捕まえるべく、ロシア女性も自分磨きに余念が無いという。さらにロシア総人口の男女比は女性が1000万人多い。加えて無職、アルコール依存症の男性も多く、男性の平均寿命は59歳と短い。
“いい男”を見つけるのも容易ではない。

ただし恋愛スクールで教わることはテクニックや玉の輿に乗るだけではない。講師によれば、生徒には何よりもまず、男性の財布の向こう側にあるものを見るように教えているそうだ。ロシアの多くの若い女性は、二人の関係が上手く運ぶかどうかではなく、まず男性が億万長者であるかということを好む。しかしお金目的で結婚しても、それは愛の無い金の鳥かごに入っているだけであり、結局は離婚されてしまう。本当に幸せな生活はそこにはない。


恋愛スクールに通う女性は21歳から60歳までと幅広い。生徒は独身女性だけではなく、かつての夫婦関係を取り戻したい既婚の女性も参加している。より良いセックス方法や、どのように夫と向き合っていけば良いかを学ぶことで、夫婦仲を改善することに役立っていく。単なる技術論で終わるのではなく、それらを通して男性を上手く誘導し、二人が心地よいと思える関係を作っていくことこそ、恋愛スクールの目的なのだ。