「そのため『美人なのにすごく残念な相手(働かない・外見もいまいち・性格も微妙・暴力をふるう等)を選んだ』ケースを見聞きすることも少なくないでしょう。美人から好みの男性にぐいぐいいくケースももちろんありますが、『選択できる範囲』はその女性に寄ってくる男性・取り巻く環境で違うんですね」
加えて、「お金そのもの」ではなく、「お金を持っているという自信→堂々としている姿」を好ましいと感じる可能性もあると言う。
「また、女性にとっては『お金がある=生活に困らない』わけですから、生物的にお金がある男性に魅力を感じること自体は、決しておかしくありません。というか、むしろ正常です」
女性が男性を選ぶ条件として、かつては「三高」というものがあった。これは今では死語だが、「背が高い(美しい遺伝子)」「高学歴(頭のいい遺伝子)」「高収入(生活力)」の3つだったが、「動物界を見渡しても、オスがメスに選ばれるために自分の強さ・美しさ・生活力などをアピールするのと同じなんですね」とゆうき先生は言う。
「人間の場合は、性格や価値観の違いによって生活スタイルが変わりますので、そういった要素も加わりますが、根本的な部分で『この男性の遺伝子を自分が残したいと思えるかどうか』『自分がこの男性と一緒にいて生きていけるか』を判断していると言えます。もちろん人によってそれぞれの優先度が違ってきますが、特に結婚や出産など自分の人生の大きな部分を担う問題では、なにかしらのこだわりを見せるものなのではないでしょうか」
ところで、中高生くらいのカップルの場合は、「イケメン×そうでもない女子」という組み合わせもよく見かける。
これは「肉食女子と、欲望のまま食われてしまった男子」の組み合わせなのか……とよく思うのだが、優先順位や大切にしたいものは人それぞれ。傍から見てわからないことはたくさんあるものです。
(田幸和歌子)
●ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院)。(池袋院)。(新宿院)。(渋谷院)。静かで癒される都会のオアシスとして評判が高い。