芥川賞直木賞文芸フェスティバル速報とってだし!その1。
3月1日の11時から。

トップバッターはーー。
17歳最年少で文藝賞を受賞しデビュー、さらに「蹴りたい背中」で芥川賞を最年少で受賞した綿矢りささん。
そして、『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞でデビューし、5回連続で直木賞候補、『月と蟹』で第144回直木賞受賞の道尾秀介。
テーマは「小説家は幸福な職業か?」。

道尾「小説家になりたいという気持ちありました?」
綿矢「書きはじめてから、あこがれができました」
道尾「想像してたのとの差ありました?」
綿矢「もっと芸術的な、破綻的な生活がまってると思ってました。太宰治のファンなので」
道尾「自殺しないといけないみたいなイメージ?」
綿矢「まあ、自殺しないまでも」

一方、道尾秀介は、作家のイメージというと、サザエさんに出てくる伊佐坂先生。

編集者から逃げたり隠れたりして、とても不自由な仕事だと思っていたが、実際になってみるとこれほど自由だとは!

お互いに聞きたいことを質問していって、
「キャラクターづくりについて聞いていいですか、自分のじゃなくて小説の」
「ノートとかに設計図書いたりするんですか?」
「小説作品って誰のものだと思いますか?」
「ドラゴンクエストをやったことありますか?」
など、いろいろな話題がテンポよく展開。
はぐれメタルみたいな本(読み終わると経験値がたくさん!)についての話が飛び出たり、「心で書いて頭で書き直す」という感覚についてふたりが大きくうなずきあったり。
印象に残ったのは、綿矢さんのキャラクターについての発言。
書いてるときに、出てくる人を雑に扱っていると、書いてる人がふりむくときがあるんですよ。
えええー!
「くるっと振り返るんです。演じ飽きたっていうみたいに。
恐ろしいんですよ」
そ、そんなことが!

ところで、小説家は幸せな職業なのだろうか?
道尾「幸せな職業ですよね、いまのところ」
綿矢「そうですよね。万歳感あるとやっていけますよね」
道尾「どの作品もおぼえていますよね、完成したときのこと」
綿矢「そうそう、爽快感ありますよね、書いているとき苦しいわけじゃないんだけど」

詳しいリポートは近日中に近藤正高がお届けします。 (米光一成)

「芥川賞&直木賞フェスティバル」速報!リンク集
綿矢りさ&道尾秀介:作家は破滅的な職業か編
島田雅彦&桜木紫乃:男は少年、女は魔女編
北村薫&宮部みゆき&桜庭一樹:ビブリオバトルでガチ勝負編
北方謙三&川上弘美:殴り合いをして小説書いての繰り返し編

・辻村深月&円城塔:大人が薦める本を書いてたまるか編

・川上未映子&桐野夏生:男が搾取してきた日本文学編
・角田光代&奥泉光:直木賞選考委員は欠席ばかりしていた編
・林真理子&浅田次郎:映画やコミックだけじゃ底が浅い。本を読め編