ところで、そのプロ棋士たちの特徴は将棋が強いだけではないのに最近気づいた。それは「書道」の達筆なこと。色紙や扇子、著書などに座右の銘を書く機会を見るたびに、「うまい人が多いなぁ」と感心する。では、いったいどのような鍛錬をしているのか、日本将棋連盟に聞いてみた。
日頃、ボールペンや鉛筆、サインペンくらいしか使わなくなってしまった現代人。中にはパソコン、スマホで文字を打つだけという人もいる。しかし、よく考えてみれば、日本語は「漢字」と「かな文字」で表すものであり、それらの文字は本来、毛筆で書くことを前提としているわけである。ペンの一様な線の太さ、濃さでは、書道家のような美しい日本語は書けない。やはり毛筆でなければ……。そんな伝統的な筆記具にこだわっているのが、棋士なのである。
実際、筆ペンや本物の筆で書いてみるとよく分かるのだが、毛筆は硬筆とはまったく書き方がちがう。日々鍛錬しないと、思い通りにうまく字を書くことは難しい。つまり、棋士たちの達筆も、鍛錬のたまもののはずなのである。将棋の対局や研究で忙しいのに、書道までとは……。
そんな棋士たちの書道の腕を向上させるための取り組みとして、東・西の将棋会館で書道部を設け、月に1回程度、外部師範を呼んで指導を受けているそうだ。そのおもなメンバーは以下の通り。