先日、成田国際空港を利用した際、ちょっとユニークな自動販売機を見つけた。なんと、売っているのは水オンリー。
しかも、見慣れぬ銘柄「空水」なるものが、ズラリと並んでいる。どうやら成田国際空港のオリジナルブランドらしい。読み方は「くうすい」だ。

ラインアップは、通常の「空水500ml」と、酸素を充てんした「空水酸素イン500ml」の2種。自動販売機に書かれた“空の旅には酸素イン”とのフレーズにひかれ、とりあえず後者をチョイスした。ちょうど飛行機に乗る直前だったし。
早速飲んでみると、非常にまろやか、かつすっきりとした味わい。さすがに酸素が多いことまでは実感できなかったが、飲みやすくて、気分的にもリフレッシュできる。 成田国際空港イメージキャラクター“クウタン”を使ったボトルデザインもかわいいし、これはご当地モノ・限定モノ好きにはたまらないかも!

それにしても、なぜ空港限定の水を作ることに? 商品を販売する成田空港ロジスティックス株式会社の担当者に話を聞いた。
「2008年5月20日に成田国際空港が開港30周年を迎えるにあたり、“クウタン”を使用したPB商品を製造することになりました。その際、消費者の健康・天然志向の意識が高まってきていることからミネラルウォーターに着目。海外に旅行されるお客さまが、旅先でも安心して飲んでいただけるようにと考えました」

同空港初のPB商品とあって、品質へのこだわりも相当なもの。
天然水の成分を損なわないよう非加熱でボトリングし、味わいをキープ。また、非加熱でありながらも賞味期限が長くて安全・安心。渡航先の海外でも常温でおいしく飲んでもらえるという自負から、「冷たくなくてもおいしい水」をキャッチコピーに掲げている。あ、もちろん、自販機から出てくるペットボトルはしっかり冷えているのでご安心を!

「空水500ml」の発売は2008年4月から。2012年度からはモンド・セレクションで3年連続最高金賞を受賞。さらに2014年度は国際最高品質賞杯も受賞するなどその評価は高い。


一方、空水シリーズの第2弾として「空水酸素イン500ml」が発売されたのは翌2009年のこと。
「一般市場で酸素が充てんされた商品が、疲労回復効果が期待できると注目されていたことに着目し、空の旅をされるお客様に安心感やリラックス感をイメージしていただけるものと考え、企画しました」
水道水の約12倍(48mg/L)もの酸素を充てんした高濃度の酸素水であり、実際に飲んだ人からは、「甘い」という感想や「ウイスキーの水割りに最適」といった声があがっているそうだ。

販売場所は、成田国際空港内に設置する自販機、空港内店舗、そして成田空港周辺ホテル。空水専用の自販機は、空港の第1ターミナルに10台(※出国審査後は8台)、第2ターミナルビルに10台(※出国審査後は6台)、その他に1台が設置されている。なお、自販機での販売価格は「空水」(140円)、「空水酸素イン」(180円)。空水シリーズの13年度の販売実績は全体で108万本に上り、シェアとしては前者が圧倒的に高いという。


空港周辺でしか味わえないご当地ウォーター。ぜひチェックしてみては?
(古屋江美子)