この夏、韓国にこれまた新感覚のお菓子が登場した。見た目は「カール」を連想させるコーンスナックなのだが、なんと「凍らせて食べる」専用だという。

コーンスナックを凍らすなんて、まったく味が想像できないのだが? スナック菓子のコペルニクス的転換に立ち会えるのではと興奮した私は、コンビニで見かけるなり早速購入してみた。

そのお菓子の名は「アイスコーン」。パッケージを見ると、見覚えのある形のコーンスナックの写真とともに、「最も美味しく食べる方法、冷凍室へ20分!」と書かれている。だったら最初から、スナック菓子の棚ではなくアイスケースに入れておいて欲しいと思ったが、そこには大人の事情があるのだろう。家に帰り冷蔵庫に入れ20分待つ。

十分冷え切ったところで袋を空ける。取り出したコーンスナックは、冷やしたからといって、漫画のようにガチガチに凍るわけではなく、ひんやり冷気を帯びただけだ。
一口食べてみると、意外にもバニラ味、さらにほのかなバナナの香りもする。サクッとした軽い食感はカール、しかし味の方向性はキャラメルコーンといったところか。筆者は未体験なのだが、2012年限定賞品の『キャラメルコーン・バニラアイス味』が近いのかもしれない。
そして冷やしたことで、最初に口の中で押しつぶした時の、ひんやりとした感触が心地いい! 残念なことに、何度か噛むうちに口の中で温まり、ひんやり感は消滅(むしろ反動で生温かく感じるかも)。またいくつか食べる間にスナック自体の温度も室温に戻り、凍らして食べるありがたみはゼロになってしまうが(個人的にはもうちょっと冷たさが持続するといいのだが)、とはいえ、最初の方のひんやりしたコーンスナックの感触は、まさに新感覚だ。
何とも表現できない未体験の味、機会があれば一度食べてみて欲しい。

発売元である韓国の大手食品メーカー・農心(ノンシム)の広報課に話を聞くと、「凍らせて食べるこうしたスナック菓子は、韓国初だと思います」とのこと。「夏にあわせて、涼しさがあり、おもしろさも感じられる商品をと考えたのが、開発のきっかけです」と話す。
気になる消費者の反応については、「今年5月に発売されたばかりのため、まだ集計は取れていませんが、発売前に行った路上試食やブラインドテストでは、よい反応が得られました」ということだ。
ネットで検索すると、既に多くの体験記ブログが投稿されており、韓国の消費者も興味津々のよう。ちなみに、アイスコーンは冷凍庫で冷やすと、パッケージに描かれた雪だるま風のキャラクター「スノーマン」の色が一部変わり、何故だかちょっと悪そうな顔になるのだが、ブロガーたちはこうしたコネタにも面白さを感じているようだ。

韓国初、もしかしたら世界初かもしれない、凍らせて食べるコーンスナック。現在はバニラ味だけだが、冷製コーンポタージュ味とか、トウモロコシ茶味とか、平壌冷麺味とか、もっと様々な味の展開が可能なのではないかと、勝手に想像は膨らむ。今後の展開に期待したい。
(清水2000)
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