酵素ブームが起こって久しい中、私も今夏、スムージー生活をはじめました。
お取り寄せした果物や野菜を毎朝、ジューサーにかけて飲んでみたところ、お腹の調子もよく、「痩せた?」と聞かれることもしばしば。
これはいい!と調子にのっていたのですが、「そのジューサー、低速? そうじゃないと酵素がとれないよ」と注意を受けてしまいました。
これも最近の常識らしいですね。スムージーによって酵素を取り入れることができるけれど、その酵素は慎重に扱わないと損なわれてしまう。
せっかく、わざわざお取り寄せしたちょっと高価な新鮮果物がムダになっている危険性が! そんなのいや!

注意してくれた人が「健康常識のウソに騙されず長生きするための88の知恵 危険だらけの食と薬と健康法」という本を教えてくれました。
本日9月19日発行の読売新聞に広告が載っている本です。

著者は、酵素栄養学の第一人者で、数々の著書を出版している、鶴見クリニック院長・鶴見隆史。

最近話題の代替医療の研究の一貫としての酵素栄養学だそうです。
24時間テレビのスペシャルドラマ「はなちゃんのみそ汁」 でも賛否両論だった代替治療。「健康常識のウソに騙されず長生きするための88の知恵 危険だらけの食と薬と健康法」では、どんなふうに書いてあるのか、興味津々で読み始めました。

この本、「長生きするための知恵」が88個、書かれています。まず、88という数字が末広がりで、長生きできそうなありがたい感じがしますね。
1項目が、見開き2ページに簡潔にまとまっているので、読みやすい。
しかも、1ページは標語のようなもので、1ページに要素がまとめてあります。毎日、一項目ずつ読んで生活に取り入れてみるという、気軽な感じでもいいかなと思いました。

88項目というとけっこうな数.この目次を引き写すのは大変なので、全4章のタイトルだけ紹介しますとーー。

・現代医療のウソ
・健康常識のウソ
・食に関するウソ
・鶴見式健康法のすすめ

となっています。
中で、食に関するウソが、88項目中31項目と最も多いです。

「現代医療のウソ」であげられている治療は、風邪から、胃潰瘍、ガンまで幅広く、アルツハイマーについても言及されていました。

やっぱり、健康に長生きすることを阻む不安材料といったらガンとアルツハイマーですよね。
著者は、抗がん剤や抗鬱剤をむやみに使うことはよくないと説いています。
じゃあ、どうすりゃいいのよ? ということで、第2章に進みます。

第2章「健康常識のウソ」では、断食のすすめや、適切な睡眠時間、加熱食が体によくない等々、日常生活の中で、参考になる記述がたくさん。

読みながら感じたのは、著者は、人間の体の基本を、「腸」に置いているようだということ。ファスティングのすすめもしていますし。

ことに印象的だったのは、第1章の「うつ病は薬で治らない 治すにはまず腸から」。
ここで、著者は自説の根拠に、漢字の蘊蓄を用います。
「腹が立つ」「腹にすえかねる」など、感情を腹で表す言葉が多いことから、脳と腸は密接に関わっていると説くのです。
腸を整えれば、体調がよくなる! なるほどー。やっぱり「ちょう」だけに? 

ほかに、コラムで「正岡子規の間違いだらけの食事」というのがあって、35歳で亡くなった作家の過食っぷりが記されています。
先人の生活から語り継がれてきたことは、具体性がありますし、親しみを感じます。


で、第3章「食に関するウソ」では、食事で気をつけることが書いてあります。
低速ジューサーの話は、この章に載っています。なんと、ジューサーやミキサーでなく、金属製のすりおろし金を使ったすりおろし野菜が体にいいらしいです。高い低速ジューサーを買うより、おろし金でおろし野菜生活しようか、と思いはじめました。

また、震えたのは、「『生の種』は猛毒 食べ続けるとガンになる」でした。
ぶどうスムージーでめんどくさいから、種ごとジューサーにかけちゃっていましたよ。
やばい!!

やばい、やばい、あれもやばい、これもやばい、とネットを通じて、日々ささやかれる話が、この本にもいくつも出てきます。マーガリンやコーヒーフレッシュ、圧力鍋、マクロビ、放射線、生野菜と温野菜・・・・これらの噂の虚偽を検証するのにもいいでしょう。

そして、最終章、第4章「鶴見式健康法のすすめ」で、日々の生活を見直すことができます。
88項目読んだあとは、まるで気持ちのファスティングをしたようで、体と心をキレイにしなくちゃ、という気に今日は、小松菜とバナナとミカンとリンゴのスムージーを作ろうと思います
(ミカンとリンゴの効能が本に書いてあったので)。

主だって食の話が多い本ですが、おお!と気になったのは、「高層マンションは体に悪い」でした。まあ、うちは低層ですけど。(木俣冬)