「本来ならありえない話。でも気持ちや設定、親子、夫婦の関係、仕事との関係はリアルです」(香川照之)

1月18日(日)スタートの新ドラマ「流星ワゴン」(TBS系列、初回2時間スペシャル)の完成披露特別試写会が都内で行われ、主演の西島秀俊をはじめ、香川照之、井川遥、吉岡秀隆が出席した。


原作は直木賞作家・重松清の同名小説。会社をリストラされ、妻からは離婚届が届き、息子はひきこもり、暴力をふるう。人生に絶望し、死を覚悟した主人公・永田一雄(西島秀俊)の前に、ワゴンカーが出現する。幽霊だと名乗る運転手・橋本(吉岡秀隆)とその息子・健太に連れられ、過去の大切な場所を巡るうち、忌み嫌っていた父・忠雄(香川照之)まで現れる。困惑しながらも、人生をやり直す旅に出るところから物語が始まる。

今回の試写会では同局史上最多となる6000人もの応募があったという。
西島らも招待された約200人の観客とともに鑑賞した。西島が「出演者ですが、感動して泣いてしまいました。出られて良かったです」と語ると、吉岡も「泣きそうになっちゃったら、西島さんが先にお泣きになられていたのでちょっと複雑な気持ちになりました」と続け、会場の笑いを誘った。

さらに「父親の感覚で見ていた」という香川は、西島のいいショットを見るたびに「『ようやったな、カズ、さすがワシの息子じゃ!』と思ってしまった」とコメント。西島と香川はドラマ「ダブルフェイス」「MOZU」に続く三度目の共演となる。

西島「香川さんとは24歳ぐらいから20年ほどのおつきあいになります。
とくにこの3年間はほぼ同じものを一緒に食べてきているせいか、顔も似てきているので役作りは完璧です」
香川「突拍子もないお話ですが、西島さんと演じてみて、そこを突破するリアリティが出せたと実感しています。この3年間は、もしかしたらこのドラマで親子をやるためにあったのかもしれません」

さらに香川はこうも語った。
「(このドラマでは)死んでいるはずの橋本さんが一番明るい。次に明るいのが、死にかけているはずの忠雄で、生きてている永田家が一番暗い。死に近ければ近いほど明るいというのは生と死の本質に迫るものなんじゃないかとも思います。とても負荷のかかる撮りかたをしているので、ハンパなくきついんですけど、それだけ見応えのあるものになっていると思いますので、どうか最後までついてきてください!」

同作は1月18日(日)スタートで、初回は2時間スペシャル。
陰惨な色気をまとった人妻を演じる井川遙にも注目したい。
(島影真奈美)