今が一番寒い季節。
冷たい風にさらされる、こんな時期にはやっぱり温かい食べ物が一番だ。
お鍋やシチューなども美味しいが、ちょっと目線を変えて栄養満点な、「ガタタン」はいかがだろうか。

名前だけでは想像もつかない、この「ガタタン」という料理。どんなものかといえば、その正体は具だくさんの家庭的なスープのこと。
冷え込む夜に芦別名物"ガタタン"はいかが?
具だくさんでボリューム満点です。

具材は白菜、にんじん、魚介類にお肉。山菜、そして小麦粉などで練った団子など、その数、10数種類。
野菜たっぷりであっさり味。
そして栄養満点。とろみをつけているので、冷めにくくずっとぽかぽか。特に冷え込む時期にはうれしい味わいだ。

こんな郷土料理を味わえるのは北海道のほぼ真ん中にある、お米の産地で知られる芦別市。もともとは中国山西省の郷土食「ガーダスープ」をモチーフにしたと、いわれている。だから名前も「含多湯(ガタタン)」。
なるほど、漢字で書くと滋養感を感じる。

これはおよそ70年前、満州より引き揚げてきた中華料理店のオーナーが生み出した一品。芦別で愛されて70年。今では芦別市内の11店舗でたべられるようになった。まちを代表する郷土料理のひとつとなったのである。

誕生した時の形はスープだったが、今では、このスープの中に麺を入れて煮込んで作る「ガタタンラーメン」が登場。
ヘルシーなのにボリューム満点で、あっという間に人気メニューになった。
それだけにとどまらず、石焼ガタタン、がたたんパスタなどお店によってのアレンジがいろいろと登場。
その人気を受けて、太麺に塩味スープ、14種類の具材を真空パックにした「ガタタン生ラーメン」も観光物産センターやスターライトホテルなどで販売し、人気を博しているらしい。
冷え込む夜に芦別名物"ガタタン"はいかが?
おみやげ用のガタタン生ラーメンも。

とはいえ、遠方すぎて食べにいけない、という人は手作りしてみるのも。

具材は好き好きだがやはり本場に習って白菜や山菜、そして団子(小麦粉などを水で混ぜてこね、ほうとうのような団子状にしたもの)は入れておきたい。これらの具材を鶏ガラや豚骨スープで煮込み、最後に卵を溶いて入れ、片栗粉などでとろみをつければ完成だ。


なかにラーメンを入れてよし、炒めたご飯にかけてよし、パスタにしてよしと、使い勝手のいいこのスープ。
まもなく立春、とはいうもののまだまだ冷え込みが厳しい日本列島。こんなスープで冬の寒さを吹き飛ばしてみては。
(のなかなおみ)