130以上もの観音様が守られ、「観音の里」として知られる滋賀県長浜市。実はユニークなグルメが多い町としても注目だ。
気になるグルメをまとめて紹介したい。

まずは、長浜市木之本町にある創業85年を迎える老舗和洋菓子店「菓子乃蔵 角屋」。この店では2014年秋から「大幸醤油プリン」を販売している。醤油にプリンといえば、昔からウニの味がするといわれる組み合わせ。本当にウニの味はするのだろうか?
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
「大幸 醤油プリン」(150円税込)

食べてみると、やわらかくねっとりした食感で、濃厚な味わいのプリン。「あれ、ウニの味はしないのかな?」と思いつつ、数口食べ進めると、突然ふわりとウニを思わせる後味が! このあと、後味にウニを感じること数回。ベースはあくまでプリンだが、たまにウニっぽい味も感じる。なんだか楽しいし、美味しい。

店の人に話を聞いてみると、別に醤油とプリンでウニの味になることを狙ったものではないという。ウニの味がすることを言うと、「え、そうなの?」とむしろ驚いていた様子。もともと長浜市木之本町は、伊吹山系からの伏流水に恵まれ、造り酒屋や醤油屋が数軒あり、醸造の町と呼ばれている。そんな土地柄をいかしたメニューを作ろうと地元の老舗である大幸醤油とコラボレーションして生まれたのが、この「大幸醤油プリン」なのだそう。
使っている醤油は両社が共同開発したオリジナルの「スイーツ醤油」。プリンはもちろんバニラアイスやところてんなどにも合うそうだ。
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
「菓子乃蔵 角屋」。日本三大地蔵のひとつがある木之本地蔵院前という好立地。2階は古民家を改装したカフェになっている

続いては、昔ながらのご当地スイーツ。琵琶湖の北、奥琵琶湖パークウェイ菅浦口にある「かぐや餅」
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
「かぐや餅」(1箱8個入り800円、1個100円 ※税込)。無添加なので日持ちはしない

杵でついたつきたてのお餅にたっぷりのよもぎを混ぜてつくる無添加のよもぎ餅は、昔ながらの素朴な味わい。中にはほどよい甘さの粒あんがぎっしり入っていて、爽やかなよもぎの香りが食欲を誘う。

かつては竹で作った店で売っていたのがネーミングの由来。今でも内装の一部に竹が使われている。店は国の重要文化的景観に選定されている菅浦地区にあるので、散策がてら頬張るのもおすすめだ。
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
琵琶湖畔にある「かぐや餅」(不定休なので事前に確認を)

もちろん、長浜グルメはスイーツだけではない。山もあり、琵琶湖もある長浜市は食材にも恵まれている。琵琶湖の幸を思う存分楽しみたいなら、料亭旅館「想古亭源内」へ。
北近江の賤ヶ岳のふもとにひっそりと建つ隠れ家風のこの店の料理は、ご主人いわく「座敷から見える範囲の食材で作ったもの」。なかでも今年3月から提供している新メニュー「観音の里御膳」には、鮒やびわ鱒、鯉など、琵琶湖の幸が勢ぞろいしている。
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
「観音の里御膳」(7720円税サ込、貸切露天風呂付き、事前予約要)。手前が家伝の「鮒の味噌蒸し」

料理の一部は季節ごとに変わるが、取材時は鮒料理が充実。鮒の中に味噌をつけて蒸した「鮒の味噌蒸し」や鮒の刺身に卵をまぶした「鮒の子まぶし」など、他では味わえない名物料理に舌鼓を打とう。鮒というと鮒ずしのイメージからクセが強いと思う人もいるかもしれないが、刺身などはほんのり甘く、コリコリした食感で、お酒のおつまみとしても最高。ほかにも地野菜や自家製米の近江米コシヒカリを使った心づくしの料理が並ぶ。
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
「想古亭源内」。石段のエントランスも風情がある

ちなみにこのほかには以前コネタで紹介した「サラダパン」を作っている「つるや」も長浜市木之本町にある。
本当にウニの味はするか? 長浜の新名物「醤油プリン」
1951年から販売されている「サラダパン」。中身はなんとタクワン漬け。今回は。取材帰りの新幹線で食べた

個性派スイーツから琵琶湖グルメまで、多彩な味が楽しめる滋賀県長浜市。観音様をはじめ、長浜城のような歴史スポットなど何かと見どころも多いので、ぜひ観光もグルメも思う存分満喫してみては?
(古屋江美子)
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