お父さんじゃないお隣さんの徹(大泉洋)が腰を痛めていたから、塩田作業を諦めて東京に活路を求めていたことが判明。
そこで思い出すのは、14日放送の14話。
12話で「運動不足」と言っていたのも腰のせいだったんですね、きっと。
けっこう細かい伏線つくっているところも注目ですが、17回はやっぱりお母さん藍子(常盤貴子)の過去(引っ越し業にヒーローショーの着ぐるみバイト!)、そして、徹への気持ちです。
「ほやけど お母さん
やっぱし お父さん好きねんよ
ボクシングより お父さんの
だらな でかい夢 聞いて
一緒に笑うとる方や
強くなれたさけ」
人を殴ることよりも笑うことのほうが強いというのはいい話ですね。
このように「まれ」は教訓めいた台詞が多いです。
「よう考えて
本気で決めた事なら何でもいい。
間違えたら やり直せばいい」(藍子)とか
「だめながはしょうがない。
だめなりにがんばるまし」(希)とか。
その一方で、言葉にならない複雑な感じを盛り込んでいく篠崎絵里子(大でなく立のほう)の脚本。
ケーキ職人への思いに揺れ動いているとき、市役所の第一次試験の合格通知が届きます。そのときの希の複雑な表情。落ちていたら、ケーキ職人の道に行く理由ができるという他力本願は叶わないんですね。
さらに、作ったケーキを食べた藍子の言葉。
「どんなって
希の作ったケーキは
いうぃつも おいしいげんよ!
かわいい娘が作ってくれたケーキやもん
おいしさも100倍やわ!」
嬉しい褒め言葉のはずが、爽快な笑顔でなく瞳がうるっとしてる希を見て、16話で、一流パティシエ・池畑大悟(小日向文世)に、食べた人の笑顔が見たかったら家族や身内相手に作っていればいいと、言われたことを思い出しました。藍子の娘への愛情は、プロの世界の厳しさとは違うものなんですよね。そこに気づいたとき、希はプロの道(夢の道)に少しだけ近づいているのかも。
(木俣冬)
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