ずっと手土産に悩んできた。

目新しさは欲しいけど、浮ついたものは嫌。

男が持っても変じゃなく、それでいてちょっとしたオシャレ感も欲しい。
お菓子であれば甘すぎず、日持ちがするとなお良し。

そんな自分の選定基準を全て満たすスイーツにやっと遭遇した。

6月27日に東京・白金でグランドオープンしたパティスリー「メゾン ダーニ 白金」の看板メニュー、「ガトーバスク」だ。
男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
これが「ガトーバスク」。1個450円(+税)。

バスク地方で17世紀頃から親しまれて伝統菓子



「ガトーバスク」とは日本語にするとそのまま「バスクのお菓子」。アーモンド入りのクッキー生地に、バスク地方特産の黒サクランボのジャムをはさんだシンプルな焼き菓子だ。スペインとフランスの両側にまたがるバスク地方で17世紀頃から親しまれてきた。


このガトーバスクに魅せられたのが、「メゾン ダーニ 白金」のシェフパティシエ、戸谷尚弘さんだ。
男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
シェフパティシエの戸谷尚弘さん

「いつか自分の店を、自分の好きな焼き菓子で起こしたい」という目標を叶えるため、菓子の本場・フランスへ。有名店での修行を経て、バスク地方ピアリッツの観光名所にもなっている老舗菓子店「ミルモン」で、本場の「ガトーバスク」に出会った。

「この味をそのまま、日本で紹介したいと決意しました」

といっても、バスク地方とは気候も、揃えられる材料も異なる日本。それでも現地の味を再現し、「補って、越える!」という考えのもと、食材や行程の細かい部分に工夫を重ねて、この店独自の「ガトーバスク」が誕生。オープン前に日本で作ったガトーバスクを手に現地へ飛び、修行した「ミルモン」のシェフにお墨付きをもらった味だという。


表面はカリッと。中はホロッと崩れるガトーバスク


「バターはフランス産にこだわり、卵は“卵ソムリエ”に最適なものを選定していただきました。特に工夫したのは粉ですね。現地のものに比べて、日本の小麦粉はグルテンというタンパク質成分が強くて重たく感じてしまうので、独自の粉の配合をして軽さが出るようにしています」

ガトーバスクの魅力のひとつは外側生地のカリッとした軽い食感。それでいて食べ応えもあり、程よい甘さ。また、歩きながら食べられるのも魅力だ。

男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
表面はカリッと。中はホロッと崩れるガトーバスク。バターで香ばしく焼き上げるから、店内にはいい香りが充満。

「時間がたって温度が下がってくると、もう少しカリカリ感が増えていきます。温かい状態と冷たい状態、どちらでも美味しく食べられますので、その違いも楽しんでいただきたいですね。また、冷めた状態でもアルミホイルに包んでトースターで少し温めていただければ、焼きたて直後の食感や香ばしさを味わえます」

常温で3日間日持ちがするので、日替わりで食感の違いを楽しんでみるのも一興。手土産としても3日持つのはとてもありがたい。片手でつまんで食べられるサイズ感もちょうどいい。
男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
テイクアウト用ケースは、バスク地方定番の柄「バスク・ストライプ」をあしらった可愛いデザイン

「日本でも以前からガトーバスクを出すお店はありました。
でも、ほとんどの場合、大きなホールケーキサイズのものを切り分けて提供するスタイルだと思います。というのも、大きなサイズで作った方が行程は楽なんです。ただ、どうしてもカットするとその断面部分は食感が楽しめません。小さいサイズであればどこから食べてもこの食感を体験していただけます。作るのに手間はかかりますけども、現地の主流でもあるこの小さいサイズを日本で広めていきたいですね」

バスク地方伝統の生菓子たちも充実


このガトーバスク以外にも、「メゾン ダーニ 白金」ではバスク地方ならではのスイーツが楽しめる。たとえば、バスク地方が発祥とされるベレー帽を模した「ベレ・バスク」「べレ・エキソゾチック」「べレ・ピスターシュ」などの帽子型ケーキがショーケースに並ぶ。

男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
左からベーシックな「べレ・バスク」(520円+税)、マンゴー・パッションが鮮やかな「べレ・エキソゾチック」(480円+税)ピスタチオが効いた「べレ・ピスターシュ」(500円+税)

そして、バスク語で「美味しい」の意味がそのまま名前になった「ゴショア」は中央のスポンジを、生クリームとカスタードクリームでサンドした濃厚な一品。バスク流プリンともいうべき伝統菓子のひとつだ。
男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
スペインバスクの定番菓子「ゴショア」(420円+税)。火、大地、水、空気をイメージした「バスク十字」のアイコンもオシャレ。

カリッとした食感が気持ちいいガトーバスクから一転、「ゴショア」は食感ゼロなのにどこまでも濃厚な味が満足感を与えてくれる。

「日本とバスクでは乳製品の濃厚さがかなり異なります。向こうの生クリームはすごくネットリとしているんです。それを再現するために、生クリームにホワイトチョコをほんの少しだけ、味は感じない程度に忍ばせることで濃厚さを演出しています」

バスク地方伝統のお菓子以外にも、フランスの焼き菓子「フィナンシェ」や定番の「ミルフィーユ」などのケーキ類も充実。
さらに、毎朝7時のオープン時にはクロワッサンなどのパン類も店に並ぶという。店内にはイートインスペースもあるので、優雅なモーニングを満喫することも可能だ。
男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場
フランス語で「金融家」を意味する定番焼き菓子「フィナンシェ」(280円+税)。忙しい金融マンが片手でつまめるものとして広まったんだとか。

フランス語で「金融家」を意味する定番焼き菓子「フィナンシェ」(280円+税)。忙しい金融マンが片手でつまめるものとして広まったんだとか。


とにもかくにも、まずは「ガトーバスク」の食感と味わいを体験して欲しい。「メゾン ダーニ 白金」では、ガトーバスクを“焼きたて”で提供するため、専用オーブンで1日約10回も焼き上げている。いつ行っても、美味しい「ガトーバスク」に出会えるはずだ。
男が持っても自然でオシャレ。男の手土産決定版「メゾン ダーニ 白金」の「ガトーバスク」登場

メゾン ダーニ 白金
住所:東京都港区白金1-11-15
営業時間:7時〜19時(火曜定休)

(オグマナオト)