藤田 この映画は、原作を全部読んでいる人だけを狙っている?
飯田 いや、そこまでは言ってない。最初のほうを読んでて、あとはなんとなくくらいでもだいたいわかるし。「大蛇丸って誰?」レベルだとさすがに意味わかんないと思うけど。でもあるていど原作のファンじゃないと、観に行かないでしょう……。『ラブライブ!』をTVアニメ版がたいして好きでもない人が劇場版観に行かないのと同じで。
忍の里はマイルドヤンキー的世界観。その好みによって評価は割れる!?

(C)劇場版BORUTO製作委員会 2015
飯田 ただ、自分があそこにいたら、田舎のマイルドヤンキー的な世界観は耐えらんないとは思うw まだまだチャラい、気持ち的に若い親の集まりだし。こどもが生まれる前から親同士が知り合いっていうのも、田舎のコミュニティ感がある。ラスボスを見てサスケが「昔の俺を見ているようだ」っていうのは、元ヤンがやんちゃしてた時代を振り返って苦笑、みたいなものだし。
藤田 人間関係が、狭いですよねw 幼馴染が大人になってもつるんでいて、子供たちもその範囲内で影響受けたり与えたりし合っていて、割と狭い中で色々な継承や伝承が起きる。だけれど世界観的に、もっと人数がいるし、マスメディアも発達しているようなので、少人数の「里」的な親密な人間関係は、難しいと思う。その辺が渋谷を舞台にした『バケモノの子』とは違う。あれは、元々知り合いじゃない人達からの影響や伝承が多かったですからね。都市的。
飯田 むしろ逆で、情報環境が発達してるのに地元民でつるんでるっていうのが日本の地方っぽくてリアリティあると思ったw
藤田 じゃあ、映画の評価が割れるのも、マイルドヤンキーな地方のリアリティを、どう受け取るのかの問題なのかもしれませんね。
飯田 なんにしても、両方観てもらって、判断してもらえればと。対比したくなる作品なのは間違いないので!
主人公の魅力がなさすぎる。というか不快。