韓国・釜山に近い馬山(マサン)を旅行中、ふらりと銭湯に入ったら、全裸のおじさんがひとりでChoo Choo TRAINのダンスを踊っていた。正式名称は分からないが、複数人でぐるぐるまわるアレだ。
あの踊りを、ひとりきりで、しかも無心の表情で行っている。

一体どんな状況なのかと驚いたが、どうやら彼は、後ろのブンブン音がする青い機械に、背中をぐいぐい押し付けている様子。もしやこの機械は……あかすりマシーンでは?
韓国銭湯で発見!伝説の「自動あかすりマシーン」 タオル巻き付けぐるぐる回転

丸い部分には黄色いあかすりタオルが巻き付けられており、電動でぐるぐる回転。ここに背中を押し付けることで、誰の手も借りず、あかすりを受けられるというわけだ。これぞ発明だ!

おじさんはエグザイルのように華麗に腰を動かし、まんべんなく背中のアカをする。最後に洗面器で回転部分にお湯をざっぱとぶっかけ、颯爽とその場を後にした。あかすりタオルがそのままにしてあるのが気になるところだったが、機械に近づいてみると「あかすりタオルはカウンターで購入すること」との注意書きが 。つまり自分で新しいものに交換すれば問題ないわけだ。

現地でも激レアなハイテクマシーン


記者は10年近く韓国をうろついているが、こんなマシーンは今までお目にかかったことがない。帰宅後にネットで調べたところ、この「自動あかすり機械」という名の商品、韓国人にとってもかなり珍しいアイテムだという。

釜山を中心とする慶尚南道地域に存在する懐かしいものとして、テレビ番組で紹介され話題になったことも。ブログやネット掲示板には「一度見てみたい」「昔は銭湯にあった」「手でやってもらったほうが良さそう」「あかをするだけなのに大きすぎはしないか」といった意見も。


なお、私が見かけた製品は、タオルをはめた丸い部分が回転するだけだったが、もっとすごいものになると、丸い部分が回転しつつ上下移動、さらに利用者が座った座席が左右に動き、より激しいあかすり効果を生み出すタイプもあるようだ。遊園地のアトラクションも顔負けだ。

自動あかすり機械のメーカーにユーザーの反応をお聞きすると「人気? 特にないですね」とのこと。それでも30年前から生産しており、当時は何と大阪や神戸にも出荷していたとか。とういうことはひょっとして、日本の銭湯にも韓国製自動あかすり機が存在するってこと? 日本の銭湯でもひとり Choo Choo TRAIN に出会えるってこと?

韓国、そして日本の銭湯でこのマシーンに出会ったら、ぜひとも体験してほしい(と言いながらすみません、自分は勇気が出ず挑戦しなかったのだが、次こそは必ず……)。レアアイテムとの遭遇は、韓国の人もうらやましがること間違いない。

(清水2000)
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