放送開始33年。先日10時間にわたる特番が放送された『ミュージックステーション』よりも長寿な番組『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)。
放送された無数の企画の中から、いかにも『タモリ倶楽部』っぽい企画を当時の資料などを元に紐解いてみました。今回は90年代前半編です。

「出川哲朗 頭脳改造計画」(94年4月放送)


「冴えたギャグは冴えた頭から生まれる?!」とばかりに出川を実験台にさまざまなテストを実施。ドクター中松の研究所につれていき、頭の働きが良くなる薬などを与え、ギャグを披露させた。ドクター中松といえば一時期、「頭に美味しいパン」や、「頭に美味しいふりかけ」などを発売していた。ふりかけは、必須アミノ酸・不飽和脂肪酸・ビタミン・食物繊維・ミネラルなど32の「脳に効く」とされている栄養素を入れ、食塩・砂糖・化学調味料・着色料は不使用。ちなみに、かつて「頭脳パン」というパンが発売されたが、ドクター中松は無関係である。


「総額1000万円争奪 テレカ神経衰弱」(94年6月放送)


奥が深いテレホンカードの世界を探るべく開催。日本テレカ協会会長の解説を交え、幻の作品をめぐって熱い戦いを繰り広げた。出演はタモリのほかに糸井重里、キャイ~ン、斉木しげる。ちなみに、2015年現在、NTTの公衆電話の台数は約18万台。2000年には70万台だったが年々減り続けている。1970年1月30日に、公衆電話の市内通話電話料金が「3分10円」に定められたが、それまでは長電話が可能だった。現在は区域内の場合、午前8時から午後11時は10円でおよそ57秒通話できる。


「悪筆ライターをさがせ」(93年9月放送)


乱筆乱文の放送作家を集め、字の汚さを競う。台本製本会社の担当者も交えて意見を言い合った。これはタイトルを聞いただけでも傑作。ゲストは渡辺祐さん(ライター、編集者)と小俣雅子さん(文化放送「吉田照美のやる気MANMAN」でもおなじみのフリーアナウンサー)であり、この人選もニクい。

「第1回 パチンコ実況選手権」(92年11月放送)


こちらも変わった企画。パチンコ店の店内の実況の秀逸さを競い合う選手権。全国から選りすぐりの店員さんが集結。発声法や声質、マイクテクニックなどで競う。
ゲストには蛭子能収も。

「身になる取材シリーズ ザ・整体」(91年10月放送)


人間は気が出入りする穴「気穴」があり、「汚穴(おけつ)」(溢れんばかりの気を発している穴を多く持っている人)と、「睡穴(すいけつ)」(気を吸い込むバキュームタイプの穴を多く持っている人)の2タイプに分類できると、とある整体師の先生が豪語。それを活用すると女性の性格が見えるということで、その方法を実演してもらうことに。

「超即興 お尻オーディション大会」(94年2月放送)


オープニングの新バージョンを製作するにあたり、厳選された30人が集合。さまざまなお尻が並ぶ中で10人を選出した。出演はタモリのほかに糸井重里、山田五郎。現在のオープニングは2010年に行われたオーディションで、みうらじゅんらが選んだ新バージョンだ。


その他には「ハリウッド製作 新人警官研修用ビデオ」(92年2月放送)という企画も。犯人説得や敵陣への潜入シーンをみんなで鑑賞していた。
「大江戸時代劇歌合戦」(92年8月放送)では出演者らが時代劇の衣装を着て、時代劇の主題歌を熱唱した。ギターは野村義男だが、アコーディオンは横森正造というところが、いかにも「タモリ倶楽部」らしい。

今は鉄道を中心としたマニアックな企画が多いが、80〜90年代は幅広い分野からニッチな話題を見つけてきては面白がる企画が多かった。まだまだ過去の名企画を発掘しているので、第2弾もお楽しみに!
(やきそばかおる)