『世にも奇妙な物語』といえば、タモリがストーリーテラーとして、オムニバスで構成される短編ドラマ。その内容はまさに「奇妙な」であるとともに、出演者が豪華な面々であることも楽しみのひとつだ。
1990年の4月に一回目が放送されて以来、2015年で25周年を迎えた。数多く放送された中でも、特に評判が高かった作品を紹介していこう。

「イマキヨさん」


この作品はファンによる人気投票で1位になっている。
主演は嵐の松本潤が務め、就職活動をしている大学生を演じる。いつも通り家に帰り、不採用通知を見て落ち込んでいると、テレビが勝手につき、テレビの前に黒い上着とフードをかぶった人がいた。
大学の友達に聞くと、この地方に伝わる迷信みたいもので、その人は「イマキヨさん」だという。人暮らしの寂しそうな人のところに現れ、その人を幸せにしてくれる座敷童のようなものだと。

ただイマキヨさんに幸せにしてもらうには4つのルールがあり、1.無理に追い出さない、2.傷つけない、3.引っ越しの話をしない、4.謝らないがある。これらを守らなかったら「何かが起きる」らしい。
主人公はルールを破らないように気を付けるが、ちょっとしたことからどんどんルールを破っていってしまう。最終的にすべてのルールを破った彼は、新しいイマキヨさんにされてしまったのだ。

「ズンドコベロンチョ」


ストーリーテラーであるタモリはこの作品がもっとも好きだと語っている。
エリート会社員である三上(草刈正雄)は、いつのまにか周囲の人間が 「ズンドコベロンチョ」という言葉を使っていることに気づく。 「ズンドコベロンチョ」の正体を必死に探す彼を尻目に、この言葉はますます世間を席巻する。
ついには、彼の務めている会社でも「ズンドコベロンチョ」に関するプロジェクトが発動し、あろうことか三上はその責任者に抜擢されたのだ。
結局、「ズンドコベロンチョ」の正体を主人公は分からず、「ズンドコベロンチョってなんなんだー!!」と絶叫して物語は終わる。

「懲役30日」


ネットでも非常に評判が高い同作品。主演は三上博史であり、7人も殺害したとして裁判にかけられるが、判決は懲役30日となり拍子抜けするところから物語が始まる。
刑務所に入る前、注射を打たれて眠りに陥る。目が覚めたら刑務所で、数々の嫌がらせや罰を受けるが、なんとか29日耐え続けた。やっと今日で終わると笑っていると、電気椅子に座らされる。

なぜだと騒いでいると、「懲役30日というのは死刑の事だ」と看守に言われる。電気が身体に通って意識が遠くなった後、目が覚めたのは、注射を打たれた部屋。
30日経ったから解放しろと嘆く男に、検査員が放った言葉は、「あなたが眠ってから5分しか経っていません」。注射器で投入された薬は現実世界で5分眠っている間、夢の中で30日体験する新薬だという事だった。そしてまた次の注射を打たれる。現実世界で30日経ち、男が出所した時には廃人同然の姿で歩いていた……

豪華なキャスト出演


『世にも奇妙な物語』は、出演するメンバーも豪華だ。
2001年の正月にはSMAP全員が出演している「SMAP特別編」も放映されたし、2015年4月にはアニメの「ワンピース」とのコラボも実現している。
「ワンピース」とのコラボでは、阿部寛がヤクザ役として出演しており、入院中に食べたフルーツがワンピースでお馴染みの「ゴムゴムの実」であった。邪魔者扱いされていた阿部寛が、ルフィと出会いで仲間の大切さを再認識させられ、失った自信を取り戻していく内容になっている。

放映から25周年を迎えた『世にも奇妙な物語』。11月には秋の2週連続スペシャルを控えている。傑作復活編として、今回紹介した「イマキヨさん」と「ズンドコベロンチョ」も放送予定なので、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。