
40話は、こんな話
炭坑夫たちに歯向かわれたあさ(波瑠)は、五代友厚(ディーン・フジオカ)に託されたピストル(の暴発)によって難を逃れる。
はつ(宮崎あおい/さきの大は立)は、賭場で惣兵衛(柄本佑)を見つけ、家に戻ってくるよう説得する。
不退転の気持ち
出た、不退転の気持ち! 前作「まれ」つながり。
ピストルを構えて坑夫相手に凄むあさがかっこいい。
「ピストル一つで こない あっさり 立場が変わるやて・・・」と嬉々とする亀助(三宅弘城)。
女たちは勘違いして、夫を殺さないでと嘆願にやって来て、男たちは、ピストルに怯えて働くことを決意する。
でも、あさは
「武器に こない 力があったてなぁ そやさかい 戦する男の人たちは みんな 武器欲しがりはりますやなぁ」
と冷静だ。
まだ少女のときは、刀を振り回すマネして新選組ごっこをしていたあさだが、思慮深く成長している。
はつ
だが、意識的ではないにしろピストルを使ったあさよりも、丸腰のはつ(宮崎あおい/崎の大は立)が強い。
女が男の手を引っ張って走って逃げるというのは画期的だった。
でも「わしが笑て生きたら あかんやろ!」と、はつを不幸にしてしまった自分のふがいなさを責める惣兵衛。
惣兵衛が心情を吐露するが、台詞で説明せずとも、柄本佑の芝居で、ちゃんと感じられていた。
葛藤する惣兵衛にはつは、「うちが不幸に見えますか?」と聞く。そのときのはつの生き生きとした顔。夫の愛情もひしひしと感じているからなおさらだ。
なんと言っても「今更 ええ旦那様になろうやなんて思わんといてくなはれ。
ええお父ちゃんになって下さい」。
相手に可能性をちゃんと手渡した上での、励ましの台詞。はつの大物としてのポテンシャルの高さに驚くばかりだ。
だがやっぱり強いのは
新次郎。
駕籠に乗って飄々と炭坑に登場。
「来てしもたがな」って、女子の「来ちゃった(はぁと)」みたいなもの?
「あさが来た」、徹底的に男女逆転を楽しんでいるな。
せっかく坑夫たちが働く気になったのに、こんなちゃらっとした旦那さまを見たらまたやる気をなくしてしまうのではと心配になる。
(木俣冬)
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