
43話は、こんな話
ようやく坑夫が働き出して、あさが大阪に帰ろうとしていると、祖父・忠政(林与一)が危篤という知らせが届いた。あさは急ぎ京都に向かう。
ここにも悪気のないひとが
いくら後から、「行儀がいい」とか「心配してたんやで」とか「卵さんみたいにかわいいわ」とか言っても、まず「あさか・・・」と聞くのは、悪気なく残酷だと思うのだが。はつ(宮崎あおい/さきの大は立)はニコニコしていて、ほんまにえらい。
今日のはつの名言
「畑で育つ青物いうのには、なんか不思議な力があるような気がしますねん」
農業に精出して、日に焼けたはつは、前以上に度量が大きくなっているようだ。
それはともかく、医者にもう長くないと言われているらしい忠政が、そんなところをあさたちには微塵も見せず、明るく、気丈にしている様子は、「あさが来た」の明るさや笑顔を大事にしているところを体現している。
元祖、悪気のないひと
その頃、大阪。家を開けて1ヶ月も経つあさに、よの(風吹ジュン)が、悪気ないイケズネタをまた展開。
きくが顔を見せていないにもかかわらず、よのと正吉(近藤正臣)の夫婦漫才をうんざり聞いている感じが身体からあふれ出ていて、友近の演技力を感じた。
「あのやりとり、このひと月でなんべんやってますのや」と新次郎のツッコミは視聴者の代弁でもあるが、「あれは夫婦円満の秘訣」と雁助(山内圭哉)にフォローさせることも忘れない、計算された脚本。
妻のいぬ間に
正吉、新次郎と、白岡家の男性陣は女性扱いが巧いようだが、そんなありがたい旦那をほったらかしているあさに、不安の影が・・・。
「寂しいわ」とつぶやく新次郎のそばで、泣いてるおふゆ(清原果耶)。
新人女優さんだからか泣き方がちょっと拙いところが、ほんとに泣いてるのか新次郎の気を引くための嘘泣きなのか判別できず(おふゆちゃんはそんな子じゃない!と亀助なら言うだろうけれど)、この先が気になってならないではないか!
(木俣冬)
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