しかし偽装結婚生活を続けるうちに、ヒロは超治のことを本当に好きになってしまって……。
自分の思いを伝えようと決心するヒロだったが、超治の方はサワヤカ好青年・保くん(工藤阿須加)に告白しに行っちゃって、さあどうなった!? と気になる『偽装の夫婦』(日本テレビ系・水曜22:00〜)。
第6話では、超治の恋にちょこっと進展が……!?

出てきたぞ、内田有紀のDV元旦那
「(ゲイと付き合うのは)無理ですね、イメージわかないし」と言い切っていた保くんだけに、超治がアッサリ振られておしまい……かと思いきや、超治はそのまま無断外泊で帰ってこなかった。ま、まさかの恋成就!?
……と、ヒロが悶々としているところに、以前、ヒロに告白をしてきたシングルマザーでレズビアン・しおり(内田有紀)の娘が誘拐されるという事件が発生。
娘を連れ去った犯人は誰かというと、しおりがレズビアンになった原因を作ったDV元旦那&その母親。
この元旦那が、弁護士だけど妻には暴力を震うという、まあ分かりやすいエリートでプライドの高いクズ(マザコン感もちょっとアリ)というキャラクター。
案の定、法律知識を振りかざして娘の親権を奪おうとするものの、ヒロが「1週間で覚えた」という六法全書知識で対抗。
さらに「女が好きだとかいってる母親に娘が育てられるわけないだろ!」などとゲイ・レズビアンへの差別発言を繰り返す元旦那に、超治も「私たちには違いよりも共通点の方がいっぱいあるのよ!」と熱く説教して撃退。めでたしめでたし。
まあ、よりを戻そうと思っていたところに元妻から「女性しか愛せないの」とかカミングアウトされちゃった、この元旦那にちょっと同情してしまう部分もなくはないけど……。
で、超治と保くんの恋路はどうなったかというと……。
超治の告白への返事として、保くんは「ボクも心のどこかで(ゲイ・レズビアンを)変な人だと思っていたけど、もう差別主義者にはなりません! とりあえずふたりで飲みに行くところからはじめませんか?」と、うっすら告白を受け入れる形に。
あ、この恋路、進展するんだ……。ゲイ・レズビアンを差別しないということと、告白を受け入れるということとは別問題な気もするけどーっ!?
コメディ風に見える『偽装の夫婦』遊川氏の真意は!?
ここ数回のストーリー展開を追っていくと、毎回、偽装夫婦生活を送る上でのドタバタがありつつ、困った人たちをヒロ&超治のコンビで助けていくという、まあ連続ドラマではわりとありがちなパターンが見えてくる。
全体のノリもライトなコメディタッチで見やすいんだけど……。
『女王の教室』『家政婦のミタ』では、現実離れした主人公がちょっとあり得ない行動を起こして周囲を引っかき回し、『純と愛』では主人公の旦那が寝たきりの植物人間状態のまま最終回を迎え、『○○妻』では最終回にいきなり主人公が死んじゃったりと、近年は、いわゆる地上波のドラマ的ではない、挑戦的な脚本を多く手がけてきた遊川和彦。それが、こんな(比較的)普通のドラマを作るのか!?
もちろん遊川氏といえば、初期は『ママハハ・ブギ』『予備校ブギ』『ADブギ』のブギシリーズなど、ライトなコメディ物のドラマで有名になった人。コメディ物に原点回帰したという見方もできるけど……。
今回の『偽装の夫婦』は、ライトなコメディに見せかけつつも、どっかに毒を仕込んでるんじゃないかと気になってしまうのだ。
『純と愛』『○○妻』あたりの、極端でエキセントリックなストーリー展開にどっぷりハマる人がいた一方、「こんなドラマあるか!」「主人公を殺すな!」「ちゃんと終わらせろ!」と批判的な意見もガンガンぶつけられたと思われる遊川氏。
『偽装の夫婦』を見ていると、そういう意見に対し「あんたら、どーせこういう明るく楽しい話にしとけば喜ぶんでしょ?」とニヤニヤしている遊川氏の顔がチラチラ浮かんでしまう。
ライトなコメディと思って安心しきって見ている視聴者に対して、最終回近辺でとんでもない毒をぶっ放してくるんじゃ……。
心配しつつも、そんなスゴイ展開もちょっと期待してしまうのだった。
こんなに早くゲイをバラしていいのか?
第7話では、超治が園長代理を務めている幼稚園の父兄たちをはじめ、色んな人にゲイであることがバレてしまい、事態がドーンと動き出す模様。
『偽装の夫婦』を成立させている最大の秘密が第7話でバレちゃってこれからどうするのか!? もう偽装結婚を続ける必然性がなくなっちゃうんじゃないの?
ここからダークな遊川ワールドがはじまるのか、ライトなノリのまま終わっちゃうのか? 今夜22時からの放送を待とう!
(北村ヂン イラストも)