review

筒井康隆がどう読んでも「最高傑作」じゃない『モナドの領域』を「最高傑作」と言い切った理由

筒井康隆が「最高傑作」と言ったという最新長編小説『モナドの領域』についてライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんが語り合います。

『モナドの領域』(筒井康隆著、新潮社)

「最高傑作」は盛りすぎ!?


藤田 筒井康隆『モナドの領域』は文芸誌『新潮』に掲載され、たちまち品切れ、重版となった話題作です。いちおう言っておくと筒井康隆は『時をかける少女』の原作者で、今81歳。この作品にも『時をかける少女』パロディが出てきますw
 物語としては、この世界に遍在している神のようなものが、人間に乗り移ってくる。哲学・神学の論争が作中で行われ、ライプニッツのモナド論を援用し、可能世界を扱っている。
 可能世界は存在し、それは小説の世界や、一人一人の想像や夢も含まれる……と、これは筒井康隆が長らく描いてきた世界観であって、フレドリック・ブラウン『発狂した宇宙』や、ディックの『虚空の眼』の影響ですよね。
 『新潮』の表紙のキャッチに「最高傑作にして、おそらくは最後の長編」って書いてあるけど、「最高傑作」は嘘だと思いますよ。博士論文を筒井康隆で書き、筒井康隆論『虚構内存在』という本を書いた者として、これは断言しなければならない。『虚人たち』とか『残像に口紅を』の方が面白い。

飯田 自分で最高傑作と本当に言っているのだとしたら「筒井さん、ボケちゃったのかな……?」と思ったけども。筒井康隆のパブリックイメージは「過激ではちゃめちゃでおもしろい」+「文学理論を使って書く理論派」だと思うんですが、今回はどういう位置付けというか味付けなんでしょうか、藤田先生。
編集部おすすめ

あわせて読みたい

レビューの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

レビューニュースランキング

レビューランキングをもっと見る
お買いものリンク