90年代中期に一世を風靡した『DA.YO.NE』。ヒップホップグループのEAST ENDと東京パフォーマンスドールの市井由理が組んだユニットEAST END×YURIの大ヒット曲だ。

「だよね~」を繰り返すのが基本。つい口ずさみたくなる、わかりやすいリズムとフレーズはカラオケ人気にも支えられ、日本ヒップホップ界初のミリオンセラーに。紅白歌合戦出場&流行語大賞トップテン選出も果たすほどの一大ブームとなった。

そんな『DA.YO.NE』に各地のローカル版があるのをご存知だろうか? 名所や方言を盛り込んだご当地バージョンが6種類もリリースされているのだ。
1994年8月発売の本家がロングセラーを続ける中、先陣を切ったのは翌95年2月の大阪バージョン。4月には札幌、仙台、名古屋、広島、福岡バージョンが一斉発売となっている。

札幌『DA.BE.SA』by NORTH END×AYUMI


後に『水曜どうでしょう』で全国区の人気者となる「ミスター」こと鈴井貴之と、後にその奥さんとなる伊藤亜由美が在籍していた。作詞はブラザー・トムと鈴井貴之の共作だったりするのも、結構なプレミアム度である。酪農ネタや『北の国から』ネタが多いのが特徴だ。

仙台『DA.CHA.NE』by NORTH EAST×MAI


本来、岩手県で企画されていたようで、岩手めんこいテレビのアナウンサーたちによるユニットとなっているが、2人が宮城県出身、1人が青森県出身と言うことで仙台弁と津軽弁のミックスの仕上がりに。が、静岡出身の筆者には違いがよく分からない……。ごめんなさい。
MAIの熊谷麻衣子は、後にサンドウィッチマンの伊達みきおの奥さんとなっている。


名古屋『DA.GA.NE』by CHUBU END×SATOMI


メンバー3人は、90年代を通して東海3県で人気だったローカル番組『ミックスパイください』の出演者同士。番組の影響力も高かったのか、3万枚強を売り上げている。これは、『DA.YO.NE』『SO.YA.NA』に次いで第3位の売り上げだ。

大阪『SO.YA.NA』by WEST END×YUKI


WEST ENDは今田耕司&東野幸治で、YUKIは大阪パフォーマンスドールの武内由紀子。大阪パフォーマンスドールは吉本興業による東京パフォーマンスドールの姉妹グループだ。
シングルCDのジャケットは『DA.YO.NE』と基本同じで、EAST ENDとYURIの顔部分に今田、東野、YUKIの顔写真をコラージュしている作りとなっている。ただ、本家EAST ENDが1MC+2DJの3人なので、東野が二人いる事態に。この開き直ったパチモノ感に抜群の知名度とあって、オリコン最高位6位は『DA.YO.NE』の最高位7位を上回ってしまった。

広島『HO.JA.NE』by OYSTER END×YUKA

 
このユニット名だけ、方角や地域名でなく「オイスター」、つまり名物の牡蠣がフィーチャーされているが、それは響きが良かったためだろうか?でも、歌詞では牡蠣について触れておらず、グルメネタはお好み焼き推しである。

福岡『SO.TA.I』by SOUTH END×YUKA


SOUTH ENDの鶴屋華丸は現在、華丸大吉の博多華丸。さらにYUKAは女優として今も活躍中の板谷由夏。当時は大学生で雑誌モデルだったそうだ。クールなキャリアウーマン役や、知的なキャスターのイメージの彼女が博多弁丸出しで熱唱。人生いろいろである。

アルバム『SPECIAL TRIBUTE TO DA.YO.NE』には、中国語とインドネシア語バージョンも収録。
未CD化ながら、富山弁や鹿児島弁バージョンも存在するそうだ。
ご当地グルメやご当地キャラなど、「ご当地もの」に注目が集まる現在、再び脚光を浴びそうな気がするのは筆者だけだろうか?
(バーグマン田形)
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