「iモード」とは
iモードとは、NTTドコモの携帯電話でキャリアメールの送受信やウェブサイト閲覧などができる世界初のサービス。1999年にiモードが登場する前、携帯電話は文字通り電話するだけのツールであった。携帯電話でメールやインターネットができるということはまさに革命的であったのだ。サービス開始当初からiモード対応の携帯電話は爆発的に普及していき、この流れを受けた同業他社も同種のサービスの提供に追従する形に。
ちなみに、iモードが広まった後に家庭用の固定電話でも「Lモード」という同様のサービスが開始されたが、すでにPCが一般家庭にも普及していた時代にiモードほどの支持は得られず、すぐに姿を消してしまった。
iモード初期のサービス
携帯電話でメールができるというだけでも画期的であったが、特に若い世代に人気があったのが「絵文字」である。顔の表情やさまざまな物の絵で文章だけでは伝わりにくいニュアンスを表すことができるという新鮮さが受けて、中高生の間では絵文字だけでメールすることも流行。
そして、メールやインターネット以外のサービスで人気を博したのが「iメロディ」いわゆる着メロだ。それまでの携帯電話の着メロといえば、あらかじめ携帯電話に設定されているメロディを選ぶか、ボタン操作により1音ずつ打ち込んで自分でメロディを作るかしかなかった。しかし、iメロディでは、課金のうえメロディのデータをダウンロードするというシステムになった。初期のころは今のような歌やボイスはなく、すべて電子音によるメロディではあったものの、それでも好きな曲を手軽に着メロにできるとあって、着メロ人気を加速させた。
他にも注目を集めたサービスが「iアプリ」である。こちらはiモードのサービス開始から2年後の2001年に搭載。
iモードが社会問題にも
iモードには、それまでの携帯電話にはなかった楽しいサービスを実現したが、新たな問題も引き起こすことに。今と違ってパケット定額サービスなどまだ無かった時代、ウェブサイトの閲覧やデータのダウンロードなどで気が付かないうちにパケット通信を利用しすぎて通信料が跳ね上がり、後から支払いに困るということがよくあった。
このような状況を表す「パケ死」という俗語も誕生したが、特に学生が自分では支払えないほどの高額な請求に慌てるというケースが多く、社会問題に発展したのだ。
とはいえ、iモードの登場により、多くの便利な機能が追加されたのも事実。現在ではスマートフォンが
インターネットにつながるのは当たり前となったが、すべてはこのiモードから始まったのだ。