ただ、NHKでは年末にかけて再放送の予定が多く組まれている。2015年に話題になった番組を、もう一度チェックできるチャンス。必見のものをピックアップした。
若手&ベテラン芸人の情熱!『笑けずり』
BSプレミアムでは『爆笑ファクトリーハウス 笑けずり』(番組サイト)が、12月30日(水)午前0時(29日深夜)から第1回〜第7回を朝まで一挙放送。

本栖湖畔のペンション『笑けずり』に集められた無名の漫才師9組が共同生活を送り、1週ごとに新ネタ披露→評価の低かった芸人が即帰宅という「サバイバー」形式のリアリティショー。
無名芸人たちが希望・野望・絶望の入り交じるドラマを展開し、中川家・笑い飯・千鳥・サンドウィッチマン・バイきんぐといった、先輩芸人たちのお笑い講義も熱い。番組プロデューサーによると、講義ではテーマ以外の部分は芸人たちに任されていたそうだ。
「初回の中川家なら“ツカミ”、バイきんぐの“漫才コント”、サンドウィッチマンの“賞レース”などテーマは一緒に決めましたが、『こういう展開にしてほしい』という演出は一切していません。あんなにアツく語ってくれるとはと驚いたくらいで。いい化学反応を起こしてくれました」(『CULTURE Bros. Vol.1』 番組プロデューサー松井修平インタビューより )
若手もベテランも、お笑いにかける情熱を見せてくれる番組だった。特に第5回のラストは正直泣いた。回を追うにつれ、残ってる芸人たちにどんどん感情移入してしまう……。
・中川家が笑い飯が千鳥が本気だ。芸人たちのガチサバイバル番組「笑けずり」が凄い
・「笑けずり」今夜最終回。バイきんぐ小峠「ヒマなんだから、芸人がネタを考える以外何があるんだ」
最終回は3組による最終決戦。本放送では生放送でネタを披露し、視聴者投票で優勝者を決めた。舞台袖にはこれまで講義を行ってきた先輩たちが見守る。いま思えば、M-1チャンピオンたちが年末のM-1で審査員をする前に、若手のNo.1を決める舞台に立ち会っていたことになる。お笑い好きで未見の方はぜひこの機会に。
Eテレらしからぬ『ねほりんはほりん』『昔話法廷』
Eテレでは12月29日(火)午後11時25分に『ねほりんはほりん』(番組サイト)のプロ彼女&没落した元社長編が再放送。パッと見は子供向けの人形劇、しかしその実態は下ネタも不幸ネタもあるギリギリのゲスいトーク。確認のため繰り返すがEテレである。
→衝撃のゲスさ「ねほりんはほりん」Eテレでプロ彼女暴露トーク
モグラの「ねほりん」と「はほりん」の声を担当しているのは、YOU&山里亮太。他局ではテラスハウスを見守る2人が、プロ彼女から“種付け”の話などを聞き出す展開。そのぶっ飛んだ内容は「この企画よく通したな!」な企画に贈られる突破クリエイティブアワードの審査員特別賞を受賞。
ちなみに、1月3日(日) 午後10時30分からは第2弾「芸能スクープ記者・カメラマン」が放送予定。これまた、ゲスい話を持っていそうな人選……!
同じくEテレでは『昔話法廷』(番組サイト)も再放送。「もしも昔話の主人公が訴えられたら……」という設定の実写法廷ドラマ。例えば「三匹のこぶた」裁判では、オオカミを殺害したこぶたが被告人になり、「正当防衛」か「計画的犯行」かを争う。被告席に座るこぶた(体は人間)の画もシュール。
誰でも知っている昔話が題材なので、事件の説明に時間をとられる必要がなく、放送時間が15分で終わるコンパクトさも特徴の一つ。最後の判決が出る前に番組が終わるので、「自分ならどうするか」と裁判員気分で考えてしまう。
12月28日午前10時に「三匹のこぶた」裁判、29日午前10時に「カチカチ山」裁判、30日午前10時に「白雪姫」裁判を放送予定。なお、『昔話法廷』は「NHK for school」として教育コンテンツ扱いなので、番組サイトで全編視聴することが可能。再放送まで待てない場合はサイトをチェック。
再放送されないけど話題だった番組も
NHK総合では2015年の朝ドラをダイジェスト放送予定。12月30日午前7時45分からは『マッサン』が、12月31日午前7時20分からは『あさが来た』が、20分ダイジェスト版を一挙放送(あれ、『まれ』は……?)
他には『浦沢直樹の漫勉』が年始1月2日よりシーズン1を一挙再放送。再放送予定がないものの2015年に話題になった番組と言えば、現代に蘇ったはに丸が意識高い系をDisった『はに丸ジャーナル』、イカがキレキレのダンスで味噌汁作りを教える『カテイカ』、無知な渋谷の女子高生を普天間基地やお遍路に連れ出すという内容でプチ炎上した『むちむち!』(番組サイトは既に消滅)なんてのもありました。
長年染み付いた「NHKらしさ」を逆手にとって、自分で自分の壁を壊し続ける昨今のNHK。2016年も期待してます!
(井上マサキ)