「真剣勝負」をバラエティ化し、かつてTBSで放送されていた「ガチンコ!」。TOKIOが司会を務めており、多くの人気コーナーがあったが、今回は人気コーナーのひとつ「ガチンコ!ラーメン道」を振り返る。


講師は"ラーメンの鬼"佐野実


「ガチンコ!ラーメン道」は三ヶ月でラーメン屋の店主になれる者を選ぶという企画。ラーメン店を開きたいという素人が集まっており、彼らの講師を務めるのは一昨年亡くなった佐野実だ。
佐野は藤沢の人気店「支那そばや」の店主であり、素材にこだわったラーメンを妥協を許さず追求することから「ラーメンの鬼」と言われていた。

「私は佐野さんの犬です」塾生の名言


佐野だけでなく、教わる側の塾生も個性豊かだった。塾生は素人ながら数々の"名言"を連発。
例えば脱落に納得がいかず、駄々を捏ねるものの、スタッフに椅子ごと追い出された塾生は「神輿やないねんから~」と叫んでいた。
また、「私は佐野さんの犬です」と言った塾生や、リタリアする時に「あんたは佐野さんと寝て、佐野さんの靴でも舐めてればいいのよ!」と捨て台詞を残した塾生も企画内で現れた。

ミシュラン受賞者も 「ガチンコ!ラーメン道」出身者


塾生たちの中には、「支那そばや本店」の店長に就任した者もいるし、現在複数のラーメン屋を経営する者も誕生している。
さらにはミシュランガイドにも載っている東京の名店「ドゥエイタリアン」というラーメン屋の店主もこの「ガチンコ!ラーメン道」出身者だ。
今思えば、意外と実力派が多かったのもこの企画の特徴といえる。

「ガチンコ!ラーメン道」はやらせ!?


しかし「ドゥエイタリアン」の店主である石塚和夫は、「ガチンコ!ラーメン道」はやらせだったと以下のような告白している。
「別の店で一料理人として働いていたが、番組スタッフが店にやって来てスカウトを受けた」、「佐野は『次回、その覚悟のある奴だけ来い!』と言っていたが、ADが電話をかけて呼んだ」、「あらかじめストーリーは用意されていた」

「ガチンコ!ラーメン道」に限らず、素人同士の揉め事が必ず起きていた「ガチンコ!」は放送当時からやらせ疑惑があった。とはいえ、このような疑惑がありつつも、「面白い番組を作る」という情熱だけは確かであった。
(篁五郎)
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