ASH DA HERO ロックに救われたことのない男がロックンロールを背負った理由/インタビュー

■ASH DA HERO/Major 1st Mini Album『THIS IS A HERO』インタビュー(3/4)

――インタビュー2より

俺はメジャーリーガーになって、君らのたどり着けないところに行くけどね

――ASHくんのオフィシャルサイトには、「ロックンロールに夢と希望を。ロックンロールに栄光の光を。」というメッセージが書かれていますよね。
それに、自らをロックの“ヒーロー”と名乗っているわけで、きっとこれまでにロックに救われた経験があったり、ロックの力を信じているんだと思うのですが。

ASH:残念ながら、ロックンロールに救われたことはないんです。じゃあなぜ自分がロックンロールっていうものを背負おうとしているのか、ロックンロールって言葉を言おうとしているかっていうと、僕はヒップホップやソウルやレゲエみたいなものをやりたかったし、どっちかって言うとポップスを歌いたかったんだけれども、僕が歌を歌うと、みんなが口をそろえて、「ASHはロックだね」って、ずっと昔から言われるんですよ。僕はポップスのつもりなんだけど。存在がロックだよね、とか。そういうことを言われ続けてきたから、僕はロックの人なんだなと意識するしかない。だから、ロックンロールというのは自意識として、「君がそう言うならば、僕はロックンロールスターさ」みたいなところなんです。だけど僕の血液に流れているのはロックじゃなくて、文学もすごく好きだし。それがすべて自分の中で消化されて、僕という体を使って、それが誰かにとってロックンロールっていう印象だったらそれでOKかなっていう。

ASH DA HERO ロックに救われたことのない男がロックンロールを背負った理由/インタビュー

――それ、すごくよくわかります。ASHくんは、私の求めるロックンロールスター像なんですよ。ファンの方たちもたぶんそう思っていて、そういう想いがASH DA HEROの像を作り上げていると言えるのかもしれないですね。
あんなに華やかに、カッコよくマイクスタンドを使いこなすボーカリストは最近見ないですもん。ところで、ソロで活動をはじめたときに設計図を作ったとのことですが、『THIS IS A HERO』でも?

ASH:はい。アルバムを作るときは必ずプロットを作っています。物語の主人公を一人置いて、ひとつのお話を作る。そこの戯曲として、オペラを作る感じなんですけど、どういうBGM、どういう曲があると面白いかって、あとではめていくんです。今回の作品プロットとしては、前作『THIS IS ROCK AND ROLL』(2015年5月リリース)で、自分はどういう人生を歩めばいいのかわかっていない一人の少年がいて、その彼がヒーローになっていく、ヒーロー前夜を描いたんですね。今回は疲弊しきった空っぽの街が舞台なんですけど、その空っぽの街の人々が、隣の街が最近元気がいいらしいぞ、と。ヒーローだとか自称するヤツが一人現れて、「すべての壁を扉に変えてやるぜ」みたいなことを言って、街がぱっと明るくなって元気になったらしいぞって。すべてに妥協していたり、やる気をなくしていたり、向上心をなくしていたりしていたところに一人の男が現れて、それじゃダメでしょうって言い始めるのが1曲目(「HERO IS BACK 2」)。そうやって物語が進行していって、伝えたいメッセージは各曲に散りばめてあって、最後はハッピーエンド。敵か味方かよくわからない男だけど、こいついいヤツなんじゃん、ありがとうASH DA HERO~! みたいな(笑)。でも、あの男は本当に存在していたのかな……っていう、ちょっともやもやした感じで終わって、この作品の続きがあるんじゃないかって思わせる、ショートムービーみたいなものを表現したかったんですよね。


ASH DA HERO ロックに救われたことのない男がロックンロールを背負った理由/インタビュー

――その伝えたいメッセージというのは?

ASH:夢や希望はまだあるんだぞ、戦うべき相手は世の中と今の時代じゃなくて、君自身で、君自身が変われば、一人ひとりが変わって、全員変わることができれば時代も世の中も変わるんだぞってことは伝えたいですね。

――もう次のストーリーも描いてある?

ASH:はい、ほぼ出来ていますね。今回はフィクションぽい世界でありながら現代にも当てはめられるみたいな作品になってるけど、次回は今生きてる現行の世界のことを歌いたいなって思っています。この世界、今の日本、この地球のことを。

ASH DA HERO ロックに救われたことのない男がロックンロールを背負った理由/インタビュー

――では最後に、昨年メジャーデビューを果たし、ライブもワンマン展開になるなど活動規模が広がってきていますが、何か意識は変わるなどありましたか?

ASH:はい、変わりましたね。というか、変えていかなくちゃいけないかなと思っていて。僕は、メジャーデビューをしたらこんなことができる、デビューしたらこんなふうになれるんだとか、次の世代のためにも、全部見せていきたいんですよ。今はメジャーもインディーズもあまり関係ないって言う人が多いですけど、知ったかぶるのはやめにしない? 全然夢あるよ。メジャーリーガーになりたくない? 俺はなるけどね。俺はメジャーリーガーになって、君らのたどり着けないところに行くけどね、みたいな。そんなものを僕はメジャーにフィールドを移して見せていきたいし、体言していきたいから、意識は変えてます。変わりました。


――そんな発言含め、ASH DA HEROはつくづくワクワクさせてくれる存在だなって思っています。これからの音楽シーンで、きっと何かやってくれるだろうって期待していますよ。

ASH:ありがとうございます。口だけじゃなくて、実績としてちゃんと残していけるように、とにかく一人でも多くの人に会いたい、多くの人の前で歌いたいなって思っています。

――インタビュー4へ

≪ライブ情報≫
【“THIS IS A HERO SHOW” 東京公演】
■公演日:2016年2月19日(金)
■会場:渋谷WWW
■時間:18:30 OPEN / 19:00 START
■共演:Derailers
■チケット:前売り¥3,500 / 当日¥4,000
※当日券発売決定
■問い合わせ:渋谷WWW(TEL.03-5458-7685)

【@FM presents STAND UP!】
2016年3月13日(日)名古屋 ell.FITS ALL

【LOKA New Release Event「THE ORIGINS TOUR 2016」】
2016年3月21日(月)下北沢GARDEN

【CERBERUS PARADE東名阪ツアー】
2016年4月14日(木)大阪・梅田zeela
2016年4月15日(金)名古屋ell.FITS ALL
2016年4月17日(日)下北沢LIVE HOLIC

≪リリース情報≫
Debut Mini Album
『THIS IS A HERO』
2015.12.02リリース
CRCP-40439 / ¥1,667(税抜)
1. HERO IS BACK 2
2. 結局なんにもやれてない
3. 反抗声明
4. WAKE UP ROCK AND ROLL BAND
5. BABY GOOD NIGHT
6. THIS IS LOVE

ASH DA HERO オフィシャルサイト
ASH DA HERO 掲載記事一覧
エキサイトミュージック インタビュー掲載記事一覧
excite music official Twitter
excite music official Facebook
excite music official YouTube channel
編集部おすすめ