甲冑の総重量20キロ超え!「リアル騎士」を操る戦略ゲームの迫力が凄い

「この騎士たちを買いたい……じゃない、雇いたい方!?」

甲冑に身を包んだ屈強な戦士たちがコイン数枚で取引される。少しシュールな光景が繰り広げられる。

甲冑の総重量20キロ超え!「リアル騎士」を操る戦略ゲームの迫力が凄い

「ジャパン・アーマードバトル・リーグ(JABL)」などを運営するティンタジェル主催のバトルイベント「ゲームオブキング」が、2月21日に西洋剣術スクール『キャッスル・ティンタジェル』(東京都豊島区)で開催された。「リアルな騎士たちが戦う、世界で初の中世戦略シミュレーションゲーム」をうたっている。

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イベント発案者は、ティンタジェルCEOのジェイ・ノイズ氏。もともとゲーム好きで、過去に「ファイナルファンタジー XII」の剣術スタントアドバイザーなどを行った経歴を持つ。今回はJABLのファンだけでなく、ゲームが好きな方も参加して楽しんでもらうためにイベントを開催したとのこと。

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ティンタジェル CAO笠井洋子氏(左)と、CEOジェイ・ノイズ氏(右)


ゲームの大まかな構図はこうだ。
「あなたは中世の民衆の一人となり、選んだファイター(騎士)を戦わせ、集めたコインで自分のファイターに有利な戦略を展開して勝ち進み、最高ランクであるキング又はクイーンを目指します」

頭から足の先まで完全武装の騎士・武士たちがプレイヤーのためだけに戦う、贅沢すぎる試合。ゲームのステージは全部で4つ。各ステージの詳しいルールを紹介していこう。

西洋風の剣道? 甲冑を着ない、1対1の1stステージ


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1stステージは、鎧を着ないシンセティックロングソードを持って戦うドイツ剣術による1対1のバトルトーナメント。ゲーム参加者は最初のランクである「COMMONER(市民)」として、各試合でどちらの選手が勝つかをゲーム用のコインで賭けていく。

6枚集めると勝ち抜けとなり、次のステージに進むことができる。コインを失っても500円(税込)で1枚買い足し、復帰も可能。

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ちなみに筆者は5試合目でコインをすべて失った。2回は勝てたのに、最後にコインを全賭けして負けた……。

総重量20kg越え! 重々しい甲冑が鳴り響く2対2の2ndステージ


2ndステージでは、ゲーム参加者は「VISCOUNT(子爵)」の位に昇格。いよいよ、総重量20kg超えの鎧を身にまとった2人一組の選手たちを、コインを支払うことで自ら「雇用」できるようになる。

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「俺を雇ってくれ!」と必死にアピールする選手の姿も。

プレイヤー同士でチームの取り合いになった場合は競売も発生する。2対2のチームバトルを勝ち進め、次のステージに進めるのは4人だけだ。

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4人での激しい打ち合い。1対1のときは剣道に似ている気もしたが、もはやプロレスと言った方が近い。甲冑や武器がぶつかり合う重低音が響き、金網越しとはいえ迫力満点だ。

4対4で敵・味方容赦ナシ? 波瀾の3rdステージ


3rdステージは「BARON・BARONESS(男爵・女性男爵)」クラス。雇える騎士の数が増え戦いも大規模になる。騎士が特定のエリアで倒れると、相手チームの捕虜として連れていかれてしまうイベントも発生する。捕虜を奪還するにもやはりコインが必要だ。勝ち上がったプレイヤー2人が、いよいよ王の座を争う。
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2対2でも激しいが、さらに4対4の大乱闘。騎士たちも、間違えて味方を攻撃しないよう注意を払いつつバトルが続く。

もはやカオスの9対9バトル。ついに決戦の4thステージ


そして4thステージ、「DUKE(公爵)」ランク。18人の全鎧ファイターが一気に戦うことになる。大迫力……と言うより、カオス。やがてこの戦いを制した者が「KING・QUEEN(王・女王)」となるのだ。

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もはやチームバトルと呼べるのか……。敵味方入り乱れての大合戦。自分の身は自分で守れ!

鳴り響くバグパイプ、ぶつかり合う木刀と木刀、こすれ合う鉄のプレート。午後3時から開始し、6時までの3時間を予定していた今回のイベントは、30分の延長をもって終了を告げた。単純に戦いを観るだけでも圧巻だが、自ら彼らを雇う側になることで、一見近づきがたい武骨なファイターたちが身近に感じられるイベントとなっていた。

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試合で使われた盾。傷の数がバトルの激しさを物語っている。


今回、意外にも観客には女性の姿が多かった。男性が多いファイターたちの友人・知人・ガールフレンドなどが招待されていたこともその理由だそうだが、「騎士を自分のものにしたい!」という思いは、女性にとってこそ悲願なのかもしれない。このイベントは、そんな夢が叶う場でもあった。3rdステージ以降で残っていたプレイヤーが全員女性だったのも、きっと偶然ではないはずだ。

試合の後には、参加者持ち寄りの料理でのポットラックパーティーも行われた。中世をイメージした料理もあり、どのメニューもおいしそう!

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また個人的には、2ndステージに小学生の男の子が勝ち進んだのも印象的だった。ゲームが得意なのは子どもも同じ。今後は幼いKING・QUEENが誕生することもありえる。

CAO笠井洋子氏の話では、今年中にまたテストプレイとして1、2回開催し、来年には正式な形としてフルオープンに持っていく予定だそう。流行りのスマホゲーなどへ物足りなさを覚えている方、これからの「ゲームオブキング」でぜひリアルな興奮を味わってみよう。

(平原学)