
131話はこんな話
忠興(升毅)は病床で、自分があさ(波瑠)の学問の芽を摘んでしまったと後悔を語り、今井の目白の別荘を大学の土地として提供すると申し出る。
大事なことは2回言う
ホッとしたのは、3日続けて、人が亡くならなかったこと。
さすがに3人も続くと、あさのモンスター疑惑(あさがいつまでも若々しいのは他人の命をもらっている)が止まらなくなる。
お父さん、やっぱり、はつ(宮崎あおい/大は立)に申し訳なく思っていた。
そして、はつはまた、惣兵衛(柄本佑)に嫁いだことを後悔してないと言う。
同じ週で、2回もこれを言わせるとは。大事なことだから2回言っているのか。
はつに「後悔してない」「幸せ」と言わせれば言わせるほど、やせ我慢を感じてしまう気もしないでない。
ただ、はつの話を聞いて、升毅が顔をくちゃくちゃにして泣く演技が、完全にはすっきりしない複雑な心境を感じさせて良かった。
お父さん、ドラマの最初の頃からずっと杓子定規であまりおもしろみのない役だったのが、この場面で、ようよう芝居の見せ所を得た感じ。
これまで嫁に行った子どもたちに一切何もしないできたお父さんが、ついに、大学用の土地というビッグなプレゼント。ドラマの今後の展開を左右する重要な役割がまわってきた。
朝ドラマジックで、主人公が恵まれていく展開は珍しくないが、はつには何もあげないことが、どうも釈然としない。
お父さん(忠政おじいちゃん〈林与一〈も含め)の最大の失敗は、あさとはつを公平に扱ってないことだと思う。
と、思ったが、間違えた。和歌山の土地も今井のものだった。
今井家、すごい。
そして、「あさが来た」は庶民でなく、お金持ちやセレブのドラマなんだと再認識するのだった。
(木俣冬)
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