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朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第55回 るいとジョーを繋いだ定一 ふたりの出会いは運命だった

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第12週「1963-1964」

第55回〈1月19日(水)放送 作:藤本有紀、演出:松岡一史〉

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第55回 るいとジョーを繋いだ定一 ふたりの出会いは運命だった
写真提供/NHK

※本文にネタバレを含みます

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ジョーが優勝、るいは東京へ?

藤本有紀脚本の素敵さは小ネタを一回で終わらせないこと。第46回で登場した『私の秘密』ネタが再び。ジョー(オダギリジョー)がコンテストに優勝し、東京に一緒についていく(要するに結婚する)ことになりそうなるい(深津絵里)。お世話になった竹村夫妻(村田雄浩、濱田マリ)のことが気がかりで言い出せない。

【レビュー一覧】朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のあらすじ・感想(レビュー)を毎話更新(第1回〜55回掲載中)

結婚と東京行きと恩義と大阪、ふたつで揺れる心理を『私の秘密』で見せる。筆者としては正直、第46回の頃は、さほどこの劇中劇をおもしろいと感じなかった(最初から魅力に気付いていた人、すみません)。だが、これだけ重ねてくると、ねじ伏せられるというか、ああ、ここで使用するために重ねてきたのだなあと納得するしかない。

逆に、ここでふいにこのネタが出てきてもピンと来なかっただろう。笑いをわかっている作家ならではの「天丼」手法である。確かな構成力のある作家と、瞬発力で勝負する感覚派の作家の違いはここにある。

るいがくよくよ悩んでいると、竹村家にジョーがやって来て、お得意の率直さで「おじさん、おばさん、サッチモちゃんを僕にください」と夫妻に挨拶。悩みを台無しにされてるいは「ぶしつけ」だと感情的になる。ジョーとしてはるいにとって他人の竹村夫妻に許しをもらうということは、竹村夫妻をかなりリスペクトしているということなのだが。

さて。ここからは竹村夫妻の見せ場である。「そないいつまでもおられても困るわ」とわざと言う和子(濱田マリ)。なによりも「そないもん(店のこと)はただの形や」のセリフがいい。

形あるものは時間の経過と共に消えていく。最たるものは人間。人間はいつか死んでしまう。肉体も、住んでいた家も、営んでいた店も、思い出の品も、場所もなくなっていくが、思い出自体は消えない。和子は引退した後、るいが店を手伝ってくれたことを思い出すだけでいいと語る。ジョーが書いたサインによってわかるのは、これが1963年8月11日の出来事だったこと。

その後、るいはディッパーマウス・ブルースと定一(世良公則)のことを思い出す。ジョーの部屋に置かれたマッチを見て記憶が蘇ったのだ。それによってジョーが聞いた「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」は定一が歌ったものであったことがわかり、るいとジョーにとって定一が共通の恩人であったことが紐解かれる。ふたりの出逢いは運命だったのだ。言ってみれば、日なたの道を求めて生きてきたら、同じ、日なたの道で出会ったということである。なんて素敵! 日なたの道を歩むように願っていた父・稔(松村北斗)と母・安子(上白石萌音)のおかげでもある。

そんな父母のこと、一族のことをるいは忘れようとしてきた。そのために岡山を出て大阪に出てきたが、結果的にるいは思い出すことになっていく。彼女にとって悪い思い出を良い思い出に上書きしていく作業がジョーとの出会いにとって行われているところだ。

ジョーと定一の出会い

ジョーは定一との出会いをるいに語る。戦争で天涯孤独になったジョーがひとり、廃墟に暮らしているところに定一が心配してやって来る。ジョーのホットドッグ好きは定一に差し入れされたことがきっかけだった。


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