この映画において、最も注目を集めたのが、4姉妹を演じた今をときめく女優たち。長澤まさみ、夏帆、広瀬すず……。彼女たちが揃い踏みでレッドカーペットに登場したシーンは、間違いなく、本年度アカデミー賞授賞式におけるハイライトでした。その見目麗しき姉妹の長女役を務めたのが、綾瀬はるかです。
綾瀬はるか その輝かしい経歴の裏で
1985年生まれの現在30歳。これまで数々の映画・ドラマに主演してきた彼女は、今や、人気・実力共に兼ね備えた、押しも推されぬ国民的女優の一人。
そんな綾瀬はるかですが、決してデビュー当時から順風満帆なキャリアを歩んできたわけではありません。2004年ごろまではグラビアアイドルの仕事も精力的にこなしながら、地道に端役で実績を積んできた苦労人なのです。というのは、wikipediaやオフィシャルブログからでも分かる表の歴史。彼女には、所属事務所であるホリプロが隠したがる「黒歴史」があります。それは、バラドルとして残してきた足跡です。
綾瀬はるか初のレギュラー番組は『品庄内閣』
綾瀬が初めてテレビでレギュラー出演したのは、公式ではフジテレビ系のドラマ『僕の生きる道』となっています。しかし、筆者のような30歳前後の深夜テレビウォッチャーなら、その情報が、彼女のパブリックイメージを守るための、事務所が用意した偽装だと気づくはず。
本当のレギュラーデビュー作は、ドラマでも映画でもありません。『品庄内閣』という、深夜バラエティです。当時、若手実力派芸人として、飛ぶ鳥を落とす勢いだった品川庄司。彼ら初の冠番組としてスタートした同番組の、アシスタントを担当していたのが、当時16歳の綾瀬はるかだったのです。
品川祐が綾瀬の前で全裸になったことも
本記事を書くに当たり、思い出を裏付ける情報収集目的で動画サイトを漁ったのですが、この『品庄内閣』の動画はほとんど見当たりませんでした。しかし難を逃れて生き残った動画が、2本だけYoutube上にありました。それぞれ1分ほどの尺なのですが、どちらもなかなか強烈。なにせ、あの綾瀬はるかの目の前で、品川がケツや局部を丸出しにしているのですから。
当の綾瀬は、その事態にどんな反応をしていたのかというと、多少恥ずかしそうな表情を浮かべながら、ケラケラと笑っていました。地方の女子高生そのものといったあどけないその笑顔に、15年後、優雅に赤じゅうたんを歩く大女優の姿を予感した人は、マネージャー含め皆無だったと思います。
今見ると名場面のオンパレードだった『品庄内閣』
番組中では、こんな一幕もありました。「“売れて何年かしたら、引退したい”って言って、さっきマネージャーからマジギレされてたよね?」と品川から暴露されていたのです。なんという、やる気のなさでしょうか。
また別の回では、「正統派アイドル」として芸能界で生き残っていくために、島崎和歌子に指導を仰ぎにいっていました。もちろん、島崎和歌子をチョイスする時点でコントです。品庄にけしかけられ様々なことをやらされた挙句、ラストで「綾瀬はるか、正統派アイドルへの道断念!」というテロップが流れたのを、今でも忘れません。
このように、綾瀬はるかがバラドルとして出演していた時点で、全てが神回であり、お宝映像の連続だった『品川内閣』。気品溢れる今の彼女はもちろん素晴らしいのですが、それとは違った魅力が垣間見えて、新たなファンを獲得しそうと感じるのは、私だけでしょうか? ぜひとも、ホリプロさんには、彼女が初めてテレビ番組のレギュラーとなった、この記念碑的コンテンツを再評価してもらい、「正史」に加えいただき、DVDなどで世に再出荷して欲しいと願うばかりです。
(こじへい)
綾瀬はるか写真集 HEROINE