「おえかきBBS」
SNSなどで簡単に画像を投稿できる今、ほとんど見られなくなった「おえかきBBS」。投稿ページにペイントツールがついていて、その場で絵を描いて掲示板に投稿できる仕組みだ。「ふみコミュニティ」では「おえかき広場」というコンテンツがあり、テーマ別、投稿者の年齢別など、ジャンル分けされたおえかきBBSが設置されていた。オタク層、クリエイター層、ミーハー層、カワイイもの好き層など、さまざまな層の女の子の発信と交流の場になっていたのだ。
「プリクラ広場」
今も「プリ研究部」として健在の、プリクラコンテンツ。

2000年代初頭「プリクラ広場」としてオープンし、プリクラを投稿する掲示板、プリクラの機種ランキング、プリクラのポーズアイディア集、プリクラ帳のデコりアイディア集など、様々なプリクラネタが共有された。
今はキュレーションサイトのように編集された情報がメインのようだが、当時はもっと雑多で、投稿者が相互に交流して自由に場を盛り上げていく感じがあった。
プリクラ交換の相手を募る掲示板も! いろいろな条件を提示して相手を募集し、メールで住所を教えて郵送でプリクラを送り合うという原始的な仕組み。だからこそトラブルもつきものだったようだが……。
「おえかき広場」「プリクラ広場」の他にも、誰でも自由に参加できるチャットやホームページランキング、フリー素材集などのコンテンツがあり、当時の10代の女の子がインターネットを楽しむためのすべてがそこに詰まっていたと言っても過言ではない。
ウェブモデルの先駆「ふみフレンズ」
ふみコミュニティの読者モデル的存在の「ふみフレンズ」が公募から登場したのは2000年代前半。選ばれたふみフレンズは特設コンテンツ内で紹介され、それぞれ自己紹介ページ、日記(今でいうブログ)、ファンと交流できる掲示板などが設置された。
ふみフレンズが少しずつ読者の人気を得てきた2003年、ふみコミュニティは雑誌化し、その年に2号だけが全国で出版された。ほとんどの読者層はウェブ版ふみコミュニティのユーザーだろう。
その内容は、おえかきBBSの人気イラストやプリクラ、いろいろなテーマに沿って集められたネタなど、ふみコミュ内の投稿を中心に、ふみフレンズの制服コーデのファッションページもあり。2号だけの幻の雑誌だったが、紙の雑誌はウェブに勝てるのか、という問題に直面している現在から思うと、「ふみコミュニティ」はかなり実験的な試みをしていたのではないだろうか。
(空町餡子)