モーニング娘。の最初の全盛期といえば、1999年の「LOVEマシーン」から始まる2000年代初頭の大ヒット。
この時期のモーニング娘。ブームに乗って、ノンフィクションストーリー的な漫画の連載が行われていたことを覚えているだろうか?

漫画にもなったモーニング娘。


その漫画とは、『なかよし』(講談社)に2001年6月号から2004年7月号まで連載されていた、『娘。物語―モーニング娘。オフィシャルストーリー』(原作:田中利花、漫画:神崎裕)。毎回各メンバーにスポットを当て、モーニング娘。に加入するまでの生い立ちや、アイドルとしての葛藤や努力などが、当時の活動とリンクする形で描かれていた。
連載開始当時に最も新しいメンバーだった4期メンバー(加護亜依、辻希美、石川梨華、吉澤ひとみ)が、モーニング娘。に加入するエピソードから物語は展開されていく。アイドルを夢見る関西の小学生だった加護亜依が、オーディションに挑戦し、モーニング娘。のメンバーとして成長する姿などは、今読み返すといろいろな意味で感慨深いかも……!?
4期メンバーの中で唯一「プッチモニ」「タンポポ」のどちらにも加入の声がかからなかった辻希美がコンプレックスと闘う姿も、読む価値アリ。

また、この『娘。
物語』が連載されていた当時の『なかよし』では、連載の前後に、モーニング娘。の近況を伝えるページも添えられていた。それは漫画とリアルのモーニング娘。のコラボレーションの場ともいえるような紙面で、インタビューや新曲情報など、充実した内容が詰め込まれていた。

ふろくも豪華だった!


『なかよし』読者にとって楽しみなのは漫画だけではなく、ふろくも忘れてはいけない。『娘。物語』の連載期間には、モーニング娘。とコラボした豪華なふろくが毎号のようについていた。
作画の神崎裕によるイラストとともに、モーニング娘。の写真も使われているふろくが多く、当時の女子小学生にとってはブランドもののような特別感。モーニング娘。の集合写真と、神崎裕によるメンバーのイラストが裏表に印刷されたポスター、缶ペンケース、レターセット……。

応募者全員大サービスでは、漫画をもとにしたメンバー全員のフィギュアがもらえたりもした。

現在は、当時のメンバーが一人も残っていないモーニング娘。16’。新たなファン層も獲得しながら成長を続けているモーニング娘。だが、2000年代初頭のモーニング娘。をリアルタイムで知らないファンこそ、『娘。物語』を読んでみるのもおもしろいのでは。

(空町餡子)
※イメージ画像はamazonより娘。物語―モーニング娘。オフィシャルストーリー (4)
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