朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)3月17日(木)放送。第24週「おばあちゃんの大仕事」第142話より。
原案:古川智映子 脚本:大森美香 演出: 新田真三
なぜまた五代ネタをちらつかせるのか「あさが来た」142話
イラスト/小西りえこ

141話はこんな話


千代(小芝風花)の縁談の件で、新次郎(玉木宏)とあさ(波瑠)とよの(風吹ジュン)が東柳(工藤阿須加)と会う。

老女の切羽詰まった感はほっとけない


家族が一丸となって千代のために動く。なんて麗しい家族愛。
政府の仕事をしたいから、婿養子には入れないという東柳に、家の存続を諦めて、嫁にもらってくれないかとまで言いだすよの。
老いたよのの切羽詰まった感に、東柳が引いてしまわないか、心配になった。

こういう時、活躍するのは、新次郎。新政府を辞めて大阪で商業をすることを選んだ「友ちゃん」(五代友厚)の話を持ち出して、商業で社会を変えていく可能性を示唆、東柳の気を引く。
大隈重信のクマの風刺画の話といい、141回の「友ちゃん」話といい、
五代役ディーン・フジオカが出演していた他局のドラマ「ダメな私に恋してください」が3月15日(火)に最終回(この終わり方がなかなかキュンキュンきたけど視聴率は爆発的なものではなかった)を迎えた途端に、五代ネタを盛ってくるサービスの良さ。さすがに出て来ることはないようだが。

その代わりというわけではないが、炭坑の人たち(山崎銀之丞、富田靖子)が回想で登場した。
あさが、あんなにも大事にしていた炭坑を売って、調子の良くない銀行を補填しようとするところに、時代の変り目を感じさせる。
さらに、女子銀行員がそろって嫁に行くために仕事を辞めると言い出して、まだまだ女子が働く土壌ができてない状況を描き、そこで女子大学の必然性を強調。これで、千代が、家を継ぐよりも愛する人と結ばれることを優先できたら、
おばあちゃんの大仕事が完了するはず。

栄達(辰巳琢郎)も亡くなってしまい、彼も最後にひと仕事した(藍之助を和歌山に連れて帰った)ので、最後に残った親世代であるよのの今後にドキドキする。みんな亡くなっちゃったなあと思うと、ちょっとしんみり。
(木俣冬)

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