「ワケを知りたかったらここから俺を連れ出せ」 一命をとりとめた山猫は、刑事の霧島さくら(菜々緒)に助けを求め、さくらの家のベッドに眠ったまま。亀梨くんの寝顔が見られたのは嬉しいけれど、最悪の事態をむかえた『怪盗山猫』9話。

勝村よ、一体何を考えているの?9話
「脇腹を打ったんで出血多量で死にますよ。それより山猫さんの仲間はどうします?」 「始末しろ」 勝村と結城の会話は腸が煮えくり返るほど酷かった。勝村は山猫が防弾チョッキを装着していることを把握した上で脇腹を打っていた。とどめを刺さなかったのが気になる。
仲間になって苦楽を共にして信頼関係ができたところで壊す。それが勝村の快感だと話した……。どうにもこうにも性格が曲がっている。
「何が正しくて何がおかしいのか、それは人それぞれの価値観によって違うはずだよ」
真央の反論もむなしく、「すべては個人の自由」で片付けようとするところがずるい。
「動かないでください」
山猫のアジトで勝村は拳銃を握って真央と里佳子を脅す。
「僕にとって殺しは日常。
里佳子(大塚寧々)と真央(広瀬すず)をしばり、部屋に火をつけた。アジトが燃え、二人が亡くなったことは翌日のニュース番組が伝えた。嘘でしょ……。
山猫の過去が明かされた
山猫をかくまっているさくらの元に、勝村から「怪盗山猫の真実」と題した原稿が届いた。
そこには山猫と勝村、そして赤松杏里(中村静香)の姉との過去が記されていた。身寄りのない子どもの中から優秀な人材を集め、日本人スパイ養成計画に強制的に借り出す、国家ぐるみの施策だった。
結城も勝村も絶対に許せない!と鼻息が荒くなるけれど、ひとまず冷静になろう。二つ気になることがある。
一つは、結城の家で山猫を撃った時に、防弾チョッキの装着を知っていたのにとどめを刺さなかったこと。ただ単に仲間の死を見せつけてから殺す魂胆か、それとも別の企みがあるのか。 もう一つは山猫。勝村をおとりとして使うこともあって、彼の行動を見越した上で動いていたシーンが多々ある。
もしそうだとすれば、遠ざけることもできたはず。それをしなかった理由は「仲間を信じる」それだけの理由だったのだろうか。山猫らしいような違うような……。
まだ幼い山猫を、スパイとして借り出すときに同行していたのが関本(佐々木蔵之助)。山猫とは幼い頃からの知り合いだった。結城の方針に賛同できずに「結城から日本を取り戻す」と山猫と密かに手を組んでいた。だから関本の不振な動きを察知したときに、山猫が悪態をついたり距離を置いたりしていたのか……。
山猫はかつて結城から二重スパイの嫌疑をかけられ、仕組まれるようにして追放、ハメられた過去がある。当然、結城に恨みを持った山猫だが、勝村は結城の指示にしたがっている。子どもの頃に身勝手に日常を奪われたことに対する恨みはないのか? いよいよ最終話。今夜よる9時から。